マンションのモデルルーム。壁は白系のビニールクロス仕上げが多い。 |
マンションの内装には法的な規制があるの?
マンションには基本的に多くの人が集まって暮らしています。このようにたくさんの人が集まっている建物で、一定規模以上の物には建築基準法の「内装制限」という規制がかかってきています。内装制限とは、壁や天井などの内装材を燃えにくいものにする規制のことです。ただし設置免除規定があって、必ずかかるというものではありません。そのほかにも、火災時に煙を排除するための窓を設けなければならない「排煙」という規制があり、それを免除させるために内装材を燃えにくいものにするなどさまざまなやり方があるので一概には言えないものです。マンションの壁はたいていプラスターボードという下地材の上またはコンクリートの壁の上にビニールクロスが張られることが多く、プラスターボードの上またはコンクリートの上に防火性能のあるビニールクロスを張ると、それらの内装の規制を満たすことができます。防火性能を持つビニールクロスは豊富に出回っており、多用される理由といってよいでしょう。例えばビニールクロスの代わりに天井に杉板を張りたいと思っても杉板は燃える仕上げ材とみなされそのままの状態の使用は厳しい、となってしまうのです。
住む人の健康への影響は?
織物調のビニールクロス仕上げ。ベットカバーとともにいい雰囲気をかもし出しています。 |
ビニールクロスと同じような薄いシートを張る仕上げとして、オレフィン系、珪藻土系、和紙、紙布系クロスなどもあります。ビニールクロスよりも燃えたときに有害ガスが出ないなどの利点もありますが、結局張るときにノリをつかうので、そのノリにも化学物質が多少なりとも入っているため健康に対する影響はあまり変わらないと考えられます。ビニールクロスに比べて値段が張るものが多いのですが、仕上がり感が良くなると思います。
それでは次のページではビニールクロスの施工性、価格、適性などの観点から見ていきます。