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ヒートショックを防ぐ!トイレの快適温度

トイレに入ると「ひやっ」としませんか?温度差によって起こるヒートショックは脳卒中や心臓疾患の原因になります。健康を維持するためのトイレの適正温度と暖房設備をご紹介します(初出:2007年1月、改訂:2014年1月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

健康のためにトイレも暖かく

暖房便座、部屋暖房機能もあるトイレ例(出典:LIXIL)

暖房便座、部屋暖房機能もあるトイレ例(出典:LIXIL

寒い季節、暖かい部屋から寒いトイレやお風呂に移動した時、ゾクッとしていませんか? 室間を移動した時の急激な温度差によって体が受ける影響をヒートショックといいます。

ちょっと前までは、トイレは排泄自体を恥ずかしがることから「ご不浄」、または母屋のそばに別に建てた小屋という意味で「厠(かわや)」と呼ばれたりしていました。このように、トイレはひと昔前は家の「外」に作られるものでもありました。その名残から、冷暖房対策をとるという観念も発達しませんでした。

最近ではヒートショックによる健康への影響が注目をあび、トイレも快適な温度にすることが求められています。そこで今回は、ヒートショックの危険性、快適なトイレの温度、お勧めの暖房器具をご紹介します。

夏に冷房の効いた部屋から暑い外に出たときに体が受ける影響をコールドショックといいます。
室温と外気温の差がありすぎると知らず知らずのうちに体に負担がかかっています。

ヒートショックの危険性

暖かい部屋から寒い部屋へ移動すると、急激な温度変化によって血圧や脈拍が上昇・下降して、心臓や脳に大きな負担をかけます。若い人にはなんともなくても、お年寄りに大きな影響を与えることがあり、脳溢血、心筋梗塞などの発作の原因になっています。

ヒートショックには二種類あり、夏の冷房時に受けるものと、冬の暖房時に受けるものがあります。ヒートショックによる死亡事故は寒い時期に集中していますが、真夏に冷房の効いた部屋から暑い外に出たときも体に影響を受けているので気をつけましょう。

実際のトイレ使用時を考えてみても、寒いトイレも嫌ですが、むっと暑いトイレも嫌なものですね。やはり1年を通して快適な環境が理想的です。

それでは次のページで快適なトイレの温度を考えてみましょう。

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