マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

高耐久性ならスケルトン・インフィル仕様(2ページ目)

高耐久性があり資産性の高い「スケルトン・インフィル・マンション(=SI)」。性能面でも優秀ですが、マンションが長持ちするため地球環境にも優しいのです。これからのマンション選びは「SI」に注目です。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

スケルトン・インフィルの優れた点

各住戸のPSの中には共用の排水管が入っています。
各住戸にあるPSの中には共用の排水管が入っています。このような位置にある排水管の交換は手間もお金もかかります。
それではスケルトン・インフィル仕様であるマンションはどういった点が優れているのでしょうか?

スケルトン・インフィルのマンションであれば、原則として躯体部分に設備管や電気配線が打ち込まれることはなく、コンクリート欠損の心配が少なくなります。「二重床・二重天井」であることから、設備の位置変更・取り換えが容易になることはもちろん、床にも段差が出ない「バリアフリー対応」が可能となります。

また、設備配管・配線の移動が容易であるため、ライフスタイルの変更に伴う大掛かりな間取り変更をしやすく、住まいの可変性が高くなります。スケルトン・インフィル仕様であることと、品質の良い住宅の条件はリンクしていると言って良いでしょう。

また、寿命がきた排水管を取り替えるときに、もし排水管が各住戸専有部のPS内を通っていると、許可をとることも大変、工事も大変、各住戸の排水管を囲う間仕切り壁を壊し、排水管を交換することになります。

スケルトン・インフィルでは原則として上下階の住戸で共用している排水管は、外廊下、バルコニー、光庭などの「共用部」に設けるため、住戸内に入らず工事ができ、修理や交換がしやすくなります。

建てては壊し、壊しては建てる時代は終わった
建てては壊し、壊しては建てる時代は終わりました。耐久性のあるマンションは確実に増えています。
もともとスケルトン・インフィルの考えは「建物の長寿化」を目指していることから、コンクリート躯体に関しても100年コンクリートを使ったり、外側に断熱材をはる「外断熱工法」で躯体を守ったりと長持ちする工夫がされています。

つまり、寿命が短い設備配管と寿命が長い躯体部分を分離することで、設備配管を適切に交換しながら「長いサイクル」で住むことのできる「耐久性」のあるマンションとなるのです。

設備と躯体を分離をしていないマンションでは、設備交換のときに躯体のコンクリートも壊さなくてはいけなかったりするため、結局建て替えた方が安くすむと判断され、短命に終わってしまうものもあります。スケルトン・インフィル仕様であれば、短いサイクルでスクラップしなくて済むため環境にも優しく、これからのマンションの在り方として注目されるものと言って良いでしょう。

【関連記事】
「二重床・二重天井」は本当に必要なの?
マンションの将来性は「階高」で決まる

それでは次にスケルトン・インフィルの注意点を見ておきましょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます