建て主、販売主、建設会社に設計・建設能力があることを証明
では実際にマンションの住宅性能評価を取得する時はどのような流れになっているでしょうか。流れを追いながら、建て主や販売主の設計、建設の能力について考えてみましょう。住宅性能評価には、設計図書を審査する「設計住宅性能評価」と、実際に建物が図面通りにできているか審査する「建設住宅性能評価」があります。設計住宅性能評価の流れ
設計住宅性能評価のマーク。この制度を利用した物件にはこのマークがついています。マンションの広告などでチェックしてみましょう。 |
その次に、建て主はマンションの設計を依頼している設計事務所やゼネコンに、その等級が取れるような内容で設計図書を作成してもらいます。この設計図書を提出し、設計内容が希望する等級に合致しているか審査を受けます。
審査は品質評価のプロである第三者機関が行います。通常何回かやりとりがなされ、基準に満たない部分があれば図面の訂正を行います。こうして、等級の内容に合致した設計図書ができたところで評価機関から「設計住宅性能評価書」(=性能のカタログ)が交付されます。
設計住宅性能評価取得のメリットは?
交付された設計住宅性能評価書が契約時に添付されると、完成した住戸がその評価書に書かれている性能を満たしていることが約束されたことになります。マンションの契約は工事途中で交わされることが多いため、不安を感じることも多いのですが、このことによりカタログに記載された品質が約束されたことになるので安心です。ここまでが設計住宅性能評価になります。建設住宅性能評価の流れ
建設住宅性能評価のマーク。竣工後に交付されます。 |
例えば住宅性能評価を受けていない地上3階建てのマンションでは、特定行政庁にもよるものの、現場の検査は計3回程度です。建設住宅性能評価を受けたマンションでは、同じ条件の建物で計4回の検査を受けます。
このように、建設性能評価を受ける建物は、そうでない建物に比べ、現場で受ける検査の回数が多いことが特徴の一つです。
厳しい審査、検査をクリアすることが条件
このような6階建てのマンションでは計5回の現場検査があります。検査をパスしてようやく建設性能評価書が交付されます。 |
耐震偽装事件や工事ミスが相次いで、建物の設計や工事に消費者の不安感が増していますが、この制度を利用したマンションでは、そのような面でも信頼性や安心感を得ることができるメリットがあるのです。
次のページでは、まだまだある性能表示付きマンションのメリット、ローンの優遇や保険の割引について見てみましょう。