サッシ回りの防犯対策
窓からの侵入者も多い。いろいろな対策がある。 |
ガラスとガラスの間に特殊な中間膜を挟んだ破壊に強い「防犯合わせガラス」が出ていますが、分譲マンションでの採用はまだ進んでいません。ガラス以外の部分で防犯性を上げる工夫を見てみましょう。
・面格子は外しにくく、破壊しにくい素材・構造の採用
外廊下に面する窓につけられる面格子は、ついていれば安心というものではなく、はずしにくいもの、そして破壊に強い素材や構造であることが大切です。はずしにくいものとして、特殊ねじを使用して設置してあるもの、サッシと一体化した面格子があります。材質は、一般的にアルミ → 鋳物 → ステンレスの順に強度が増し、形状は同じ材質であれば縦格子よりもひし形(クロス型)の方が強くなります※。
※縦格子でも防犯部品として高強度のものもあります。
・サブロックをつける
サッシの上部または下部にサブロックをつけましょう。 |
クレセントだけでは不十分です。せめて、カギ付きのクレセントの採用またはサブロックをつけるようにしましょう。サブロックは後からつけることができ、1か所数千円程度でできます。
・防犯フィルムを張る
防犯合わせガラスの採用が無理な場合は防犯フィルムを張り、窓ガラス自体に防犯性を持たせることもできます。防犯フィルムはホームセンターなどで購入することもできます。クレセント回りだけではなく、窓ガラス全体に張ることがポイントです。
・防犯センサーの設置
低層階もしくは最上階の侵入しやすい窓に防犯センサーを設けたマンションも見かけます。防犯センサーは、窓に振動があった時に、光や音で知らせるものです。こちらは後付も可能で、ホームセンターなどで購入することができます。
以上のようなサッシへの防犯対策ですが、全てにしなくてはならないということではなく、狙われやすい窓を重点的に行いましょう。狙われやすい部分とは、外廊下やバルコニーなど「足がかり」になる部分に面した窓、または地上から手が届く範囲の窓や屋上から近い窓となります。気をつけたいのは庇や梁なども足がかりになること。幅が30センチ以上あれば、ドロボウにとっては立派な足がかりになりますので、一度窓から顔を出して窓回りをぐるりと見回して確認してみましょう。
防犯対策の強化とともに戸締まりを忘れない
「ええっ?こんなところから?」と思うようなところでも、施錠をするようにしましょう。バルコニー側も要注意です。 |
江東区のワンルームマンション事件でも、報道を見る限り、エントランスにはオートロックがあり、防犯カメラも必要なところについており、玄関ドアはツーロックになっていて、防犯設備は整っていました。
特に最近では女性の一人暮らしの方がマンションやアパートで被害にあう事件が多発しています。ハード面の整備とともに、それだけで安心するのではなく、一人暮らしを悟られない工夫や戸締まりを忘れないことも大事です。特にバルコニー側のサッシは「まさかこんなところから」と思いがちですが、犯人はいろいろな方法を考えて侵入を試みます。留守中も在宅時も、きちんと戸締まりするように心がけましょう。
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