マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

過去の大地震にみるマンションの耐震性能(3ページ目)

2011年の東日本大震災(M9.0)は世界で4番目の大きな地震となりました。今回は過去の大地震と当時の建物被害の状況を振り返り、現在のマンションの耐震性能と地震の備えについてまとめます。(初出:2008年6月/改定2018年3月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

より耐震性のあるマンションの見分け方

新耐震基準では、関東大震災程度の大地震でも「命」を守ってくれる耐震性があることをご紹介しました。では、「財産」という視点ではどうなのでしょうか。

新耐震基準では関東大震災程度の大地震で「命」が助かることを想定していますが、建物をそのまま使える保証をするものではありません。つまり、住むことが不可能なまでに壊れてしまう可能性があるといって良いのです。命も大切ですが、命の次に大切な「住まい」という財産もできたら守りたい、と考えるのは当然のことですね。それではより耐震性を重視する方はどのようなマンションを選べばよいのでしょうか。

住宅性能表示制度を利用して耐震性のある物件を探す

2000年に住宅性能表示制度ができてから、新耐震基準の1.25倍、1.5倍の耐震性を持つ建物を見分けることができるようになりました。新耐震基準の1.25倍とは学校や避難所1.5倍とは病院や消防署と同程度の耐震性を示します。

これだけの耐震性があれば「財産を守る」という点でもより安心です。

住宅性能表示制度を利用したマンションでは、より耐震性のある建物を表示することができます。

住宅性能表示制度を利用したマンションでは、より耐震性のある建物を表示することができます。

 


揺れの少ない免震構造のマンションを検討する

地震被害の状況を調べると、倒れてきた家具の下敷きになって犠牲となる方が実は大変多いということが分かります。また、家具や食器も大事な財産と考えると、地震によって壊れるなどの被害はなるべく少ない方がいいですね。例えば免震マンションであれば、建物の揺れを抑え、より家具の転倒を防ぐことが期待できます。

住宅性能表示制度を利用した免震マンションであれば、評価書に「免震マンション」と表示されます。ぜひ確認してみてください。

それでは次にを日頃から心がけたい住まいの地震対策を見てみましょう。

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