マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

火災に強いマンションの条件(2ページ目)

9月1日は防災の日。水害、火災、地震などを想定した防災訓練が各地で行われます。今回は「火災に強いマンション」の条件をまとめました。今お住まいのマンションと照らし合わせてチェックしてみてください。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

都心部のマンションは火災に弱い!?

都心部の住宅密集地は要注意
都心部で、建物が集まって建つところは要注意。炎は上にいくほど燃え広がるので、1階部分は3メートル、2階以上で5メートル以上のクリアランスが欲しい。
火災には、自宅から出してしまう他に、近接する他の建物から「もらい火」をするケースがあります。

都心部では建物が混み合い、隣の建物との間がほとんどないような建て方をしているマンションを良く見かけますが、そのようなマンションでは「もらい火」に注意が必要です。

反対に、マンション周りに十分な空地があれば、もらい火の恐れは少ないと思って良いでしょう。近隣建物との離れ(クリアランス)の目安は1階部分の住戸で3メートル以上、2階以上の住戸では5メートル以上です。

防犯性の点でも、隣の建物から簡単に乗り移れるようでは困ります。これからマンション購入を予定されている方は、火災上の観点と防犯性の観点からも、隣接する建物との距離がある程度確保されているマンションを選ぶようにしてください。

窓やドアは火災に強い構造ですか

網入りガラス
網入りガラスの例。ガラス部分に斜めに鉄線が入っている。
隣接する他の建物で火災が発生したときは、先ほど述べたように、コンクリートでできた外壁は基本的に一時間以上の耐火性があるので、弱点は窓やドアなどの開口部になります。

そこで近隣建物との距離が近い部分にあるマンションの窓やドアには、一定の耐火性能を持たせたものを使用することになっています。窓なら20分、ドアなら20分または1時間以上。マンションのサッシでガラス部分に網が入っているものをよく見かけると思いますが、それが通常より遮炎性能の高い窓です。

日常の住まい方についてですが、火災の広がりを止めるためにマンションの玄関ドアは常にしまっている方が良いのです。マンションの玄関ドアにドアストップ、ドアキーパーがついていないのはこのためです。夏に開け放して風を取り入れている方をたまに見かけますが、防災上は、普段は閉めておく方が好ましいと言えます。

それでは次に火災警報器の設置、避難方法を確認しましょう。
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