マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

火災に強いマンションの条件

9月1日は防災の日。水害、火災、地震などを想定した防災訓練が各地で行われます。今回は「火災に強いマンション」の条件をまとめました。今お住まいのマンションと照らし合わせてチェックしてみてください。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

マンション火災
マンションで火災が起こったことを想定して避難経路の確認をしておきましょう。
9月1日は防災の日。水害、火災、地震などを想定した防災訓練が各地で行われます。

今回は火災発生時を想定し、火災に強いマンションの条件をまとめました。今お住まいのマンションは万が一の火災時に安全ですか?チェックしてみてくださいね。

基本的にマンションは火災に強い

マンションは基本的に火災に強いつくりになっている。
大勢が集まって住むマンションには、高い耐火性能が必要です。
RC造や鉄骨造のマンションは、基本的に火災に強いつくりになっています。マンションは建物全体の規模が大きくなるので、高い耐火性能を持たせるように建築基準法や消防法で定められているからです。

例えば鉄骨造(S造)のマンションの場合、鉄は熱に弱い性質を持ちますが、鉄骨を火に強い材(吹きつけ材やボードなど)でくるむことで耐火性を持たせています。

また、コンクリートの厚さは7センチ以上あれば1時間以上の耐火性能があるとみなされますが、一般的な鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションでは、もともと建物の主要構造部(柱、梁、壁、床、屋根、など)は7センチ以上の厚みのコンクリートで出来ています。ですので、特別な対策をしなくてもある程度の耐火性が備わっていると考えて良いでしょう。

この場合の耐火性能とは「時間を稼ぐ」という意味も含んでいます。建物の主要構造部については特に、火に耐える時間が長ければ長いほど、逃げる時間をつくることができます。このように、多くの人が住むマンションでは、安全に避難する前に建物が崩れ落ちないような耐火性が必要とされます。

また、一般的に室内の仕上げにも防火性のあるものを使用します。マンションの壁・天井仕上げはほとんどがビニールクロスになっていますが、ビニールクロスには防火性を持たせたものが数多く出回っており、マンションに多用される理由の一つとなっています。反対に木でできている板壁などはほとんど見かけないと思いますが、防火上の制約から使用が難しいためです。

【関連記事】なぜマンションの内装はビニクロが多い?

次のページで都心部のマンションは火災に弱い!?を見てみましょう。
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