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簡単解説!樹脂製サッシ耐火偽装の問題点(2ページ目)

新年明けたばかりの1月初旬、国土交通省は住宅に使われる樹脂製サッシの耐火性能試験で不正があったことを発表しました。耐火性が低いサッシではどのような問題があるのでしょうか?わかりやすく解説します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

樹脂製サッシ耐火偽装の概要

耐火性の劣る窓枠が戸建住宅のほかマンションやホテルの窓に使われた(写真はイメージ)。
耐火性の劣る窓枠が戸建住宅のほかマンションやホテルの窓に使われた(写真はイメージ)。
国土交通省、及び各社報道によると概要は以下のようになっています。

不正を行ったサッシメーカーはエクセルシャノン、三協立山アルミ、新日軽、PSJおよびH.R.D. SINGAPOREの5社。耐火偽装の内容は、戸建住宅やマンションの窓に使用する樹脂製サッシの防耐火性の認定を受ける際に、実際のものより高性能のサンプルを持ち込み認定を取得していたというもの。不正があったのは27種類の樹脂製サッシで、各社は03年2月から08年7月までに計80件の認定を取得。炎にさらされても20分間延焼を防ぐ性能が必要なところを実際には13分程度しかないとみられています。これらの不正でメーカー側はサッシ1枚当たり約一万円のコストダウンを図っていたとのこと。

使用されたのは北海道や東北の戸建住宅で約5,500棟にのぼり、東京や大阪のマンション・ホテルなどでも使用されました。国土交通省ではこれらの製品について大臣認定を取り消し、すでに使用されている建物については改修するなどの対策を取ること、相談窓口を設置して適切に対応するよう指示を出しました。

今後の対応について

今回耐火偽装が発覚したことで樹脂製サッシのイメージダウンが懸念されますが、前ページで述べたように、樹脂製サッシは従来のアルミ製に比べ断熱性・気密性・水密性に優れ、特に寒冷地では必需品となっています。コストもアルミ製に比べるとやや高くなりますが、木製サッシに比べて安く、寒冷地だけでなく一般地域でもこれからはニーズが高まると考えられます。

今回の不正事件はとても残念なことですが、樹脂製サッシそのものが悪いわけでありません。前回の耐火ボードの不正も耐火性能の大臣認定取得時に起きています。国土交通省は今後これらの不正が見抜けるように、認定方法を見直す必要があると思います。二度と認定偽装品が出回らないことを期待します。

【関連記事】
知っておきたい住まいの耐火基礎知識
マンションが火事になったらどうする!?

【関連サイト】
断熱性が高い?「樹脂サッシ」の基礎知識(住宅設備)
防火設備(樹脂製窓)の性能試験における不正受験等について(国土交通省)

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