マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

中古住宅を安心購入!既存住宅性能表示制度(2ページ目)

ここ最近注目度の高い中古市場ですが、家がどの程度傷んでいるのかとても気になりますね。主要部分の傷み具合が分かり、安心して購入できる「既存住宅性能表示制度」についてご紹介します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

既存住宅性能表示制度の特徴

この制度の特徴は、その中古住宅の売買について「利害関係のない第三者」が「全国統一基準」で傷み具合を総合判定することにあります。マンションでも戸建住宅でも利用することができ、例えばマンションでこの制度に基づいて、専有部分をはじめ、エントランスホール、階段、廊下、共用配管などの共用部分の検査を受けることで、その後のマンションの維持管理に役立てるといった利用も可能です。

傷み具合の検査の方法ですが、すでに建っている建物の検査なので、目視等による現況検査が中心になります。この辺が、設計図書や、建物の見えなくなってしまう部分(構造、設備など)を重点的にチェックする「住宅性能表示制度(新築)」と大きく異なる点と言って良いでしょう。

制度の構成

屋根の劣化状態も必須検査項目に入っています。普段見えない部分なので助かりますね。
屋根の劣化状態も必須検査項目に入っています。普段見えない部分なので助かりますね。
既存住宅性能表示制度を利用すると、必ず検査を受けなくてはならない「必須項目」があります。内容は基礎や外壁のひびわれ、屋根の欠損、床の傾き、壁や天井の漏水のあとなどのチェックとなっています。「傷み具合を客観的に把握したい」という中古住宅購入者のニーズに合っています。これらの現況検査の結果、住宅の劣化の状況などをわかりやすく把握できるように、住宅全体の総合的な判定もしてくれます。

また木造住宅では腐朽や蟻害も気になる部分ですので、選択項目としてそれらに関する詳細検査を行うこともできます。

安心・納得して購入するために

これからは住宅購入に中古住宅も視野に入れて検討する方が増えてくるでしょう。良質な中古住宅であれば、価格が抑えられる分、新築に比べ立地や広さで希望に近い物件を手に入れられる可能性が高くなり、それが中古住宅購入の魅力になっています。しかし、完成後時間がたっているということで、選ぶ際にはより慎重に吟味すべきだということを忘れてはいけません。

建物の状態は時間とともに変化するため、ほおっておけば劣化は必ず進みます。反対にきちんとお手入れをすれば、良い状態に戻すことができます。中古住宅の購入においては、建物の状態の正確な判断、その後の適切な維持管理が、大切な資産である住まいの価値を高めるといってよいでしょう。

【関連記事】
安全な中古住宅を買う!性能チェックリスト
優良な中古住宅を見極める10のコツ:戸建編

【関連サイト】
住宅性能表示制度(新築)の解説
既存住宅の住宅性能表示制度ガイド(評価協)

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