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大開口に注意!?住まい・トレードオフの関係(2ページ目)

住まいの性能で「トレードオフの関係がある」という言い方があります。「あちらの性能を重視するとこちらの性能がやや落ちる」という意味です。全てを求めるのではなく「見極める」という作業が必要なのです。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

全ての性能が良いほうがいい?

例えば温暖な地域に建つ家と寒い地域に建つ家では求められる性能が違ってきます。
例えば温暖な地域に建つ家と寒い地域に建つ家では求められる性能が違ってきます。
前ページに掲げた10区分32項目の住まいの性能ですが、その全ての性能が高ければよい住宅と言えるのかというと、そうでもないのです。

例えば、住む地域の気候・風土、住む人のライフスタイル、かけられる工事費、デザインや使い勝手など、性能以外の個別の事情を考えあわせて最適な性能の組み合わせを行うことがとても重要になってきます。内容を十分に検討せずに、やみくもに全ての性能を高く設定しても、よい家とは言えません。

例えば、若い夫婦が住む家で、使わない手すりがあちこちについていると、かえって使い勝手の悪い家になってしまいます。当初はバリアフリー対応はそこそこに、下地を入れておいて将来必要になった時に手すりが取りつけられるようになっていれば十分といえます。

また、高性能ガラスや手厚い断熱仕様は寒い地域では有効ですが、温暖な地域ではオーバースペックになることも考えられます。

建築コストと性能

コストとの兼ね合いも大事です。
コストとの兼ね合いも大事です。
住まいの性能を高くしようとすると、一般に建築コストも高くなります。性能が高いことを求めれば、それだけ高性能な部材を使用したり、手間暇がかかることがあるからです。例えば、ホルムアルデヒドを含まず調湿作用のある珪藻土塗りの壁を採用するのと大量生産のビニール壁紙を採用するのでは、価格に大きな開きが出ます。

最初の予算を大きくオーバーしないように、コスト面でもよく調整しながらどの程度の性能にするか検討していくと良いでしょう。

次のページでトレードオフが成り立つ関係を見てみましょう。
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