マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

住まいの耐震性って本当に必要なの?(2ページ目)

2011年3月11日、世界でも5本の指に入る大地震「東日本大震災」が発生。震源地から遠く関東地区でも震度5強の揺れを観測しました。被害にあわれた方のご冥福を心よりお祈りいたします。今回は改めて耐震や免震の必要性を考えます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

建物が本当に安全かどうか考えるためには、まず現在の家の耐震性はどのくらいなのか知ることが大切です。

自分の家の耐震性はどのくらい?

前のページで1981(昭和56)年以降に建てられた建物は、基本的に新耐震基準を満たしており、阪神淡路大震災でも被害が少なかった、と述べました。それでは現在の基準を満たしている建物の耐震性はどの程度あるのでしょうか。

日本では、ある程度の規模以上の建物を建てる時は「建築基準法」という法律を守って建てることが決められており、この法律に従えば一定以上の安全性を持つ建物が建つことになります。

建築基準法では「最低限の基準」を定めている。それ以上の性能のある住宅を見極めるために住宅性能表示制度が誕生した。
建築基準法では「最低限の基準」を定めている。それ以上の性能のある住宅を見極めるために住宅性能表示制度が誕生した。


建築基準法で定めている耐震性とは?

現在の建築基準法で定めている耐震性能は以下の通りです。

■頻度の高い中小の地震に対しては損傷を受けない程度
損傷を受けないとは……その家に住んでいるうちに何度か遭遇するであろう中小の地震(震度5程度まで)に対しては、大規模な修復が不要な程度の耐震性を持つ。但し軽微なひび割れはここに含まない。

■想定すべき最大級の地震に対し倒壊しない程度
倒壊しないとは……関東大震災クラスの大地震(震度6~7程度)に対しては、倒壊・崩壊せず、人命は守られる程度の耐震性を持つ。

つまり、震度5程度の地震までなら建物に大きな損壊はなく、その後も住み続けることができる基準になっています。

そしてここに注目ですが、震度5を超える関東大震災クラスの大地震が来た時には、建物は人命を奪うような崩れ方はしないけれども、損壊する可能性はある、ということです。つまり、関東大震災クラスの大地震が来た時には、建物が大きく傾いたり設備が壊れたりしてその後その建物が使えなくなってしまう可能性があるということになります。

それでは次のページで大地震に見舞われても住み続けることができる家が欲しい場合はどうしたら良いか見てまいります。
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