日本の森林事情を見てみよう!
人間が生活していくうえで、水と光は最も重要なものであることはいうまでもありません。空気と光は人間の手でどうすることもできませんが、水は努力することで、きれいな水を得ることができます。そのために必要なのは森をつくることです。森で培われた水はやがて我々の飲み水になり、また、海に流れてプランクトンを発生させる源にもなります。意外と知られていませんが日本は世界第2位の森林率です。ここ30年間で約2500万haを維持し森林率は67%です。森林の蓄積はこの30年間に約1.8倍に増加し、人工林を中心に熟成過程にあります。毎年平均約7000万平方メートルずつ増加しています。
ところがここで問題なのが、これらの人工林の約70%位は保育、間伐が必要な材齢(35年生以下)になってきたということです。間伐をしなければ光が地面まで届きませんから、根が弱くなって保水力もなくなり、風や嵐で土砂くずれが発生しやすくなります。表土の保全や下層植生の発達が妨げられるわけです。森林は実に多面的機能を持っているのに驚かされます。
木の国日本といわれながら、実際これらの森林は20%しか住宅に活用されていません。
これらの背景のひとつに、安い外材の輸入があります。建物の工事予算で、木工事の占める予算は3割ほどです。さまざまな工事項目の中で一番金額を占めます。この工事項目をいかに下げるかが全体予算の圧縮につながるのです。そこで建売り業者や中堅工務店などはこぞって外材を採用しました。しかし現在は国産材も価格が下がり、良質なスギ1本の価格は、12cm×12cm×4m(正角)で3000円台で取引されています。外材とそれ程変わりません。国産材は決して高くはないのです。環境問題の観点からも、ただ単に外国の木を伐採して今後も使い続けてよいものかを考慮しなければなりません。
【関連リンク】
●日本材木総合情報センター(国産材の利用)