人間は住む環境に影響を受け、自己を形成します。特に成長段階にある子どもにとって住まいは最も身近な環境であり、子どもの言動はそのまま家庭環境を反映しているといえます。子どものいる家庭、子どもをもうける予定の夫婦の住まいは大人の勝手に合わせてつくられると子育てに思わぬ支障をきたしかねません。
子どものための安全な家づくり 

1.乳幼児期-使い心地の良い空間に自然素材を使おう。

住まいにとって安全、安心は第一です。シックハウスやアレルギーの子どもが増えているように、建材には気を配りましょう。近年は自然素材への関心が高いです。自然素材は色調もやさしく、時が経つにつれ味わいが出てきます。そこで建材選びだけでなく、その加工や施工方法にも注意してみましょう。せっかくの木の家も加工時の接着剤が有害になったり、躯体への取り付けが十分でない、いわゆる施工不良で木の強度を活かしきれなくなるなどの例があります。

参考リンク→未然に防ぐ・自分で防ぐ ノン・シックハウスのために


2.学齢期-遊び心や変化のある空間で子どもの創造性を高めよう。

子どもはロフトを好みます。冒険心をくすぐるのでしょう。勾配天井、吹き抜け、スキップフロアといった立体的変化のある空間は、視線を動かし、身体も動きます。また風の流れをつくり、心地よい空間となります。なくてもいいような空間こそ遊べる空間となります。

参考リンク→施主と建築家がこだわった階段のあり方 遊び心のある住まい


3.思春期-孤立を避け、家族の気配を感じさせる間取りにしよう。

リビングやダイニングの位置がポイントになります。家族の中心になるここから間取りを考えていきます。家族が会話するきっかけをもてるように、家族の行動パターンを読み、動線の交わる位置を探しましょう。また日当たりの良い位置は人が集まりやすいです。玄関に入って直接子ども部屋に行ける間取りは子どもの孤立化を招きやすいので、吹き抜けや中2階を設けるのもひとつのアイデアです。

参考リンク→子育てする家づくり 良い親子関係を築く間取りとは?


4.独立期-フレキシブルな間取りにしよう。

住まいは5年後、10年後で使い方が変わります。子どもが独立した後も考えた家づくりが望まれます。フレキシブルな間取りは使い勝手がよいです。間仕切りがポイントです。間仕切りが簡単にできる続き間にする、間仕切りの移動の自由がきく木造にするなどが考えられます。

参考リンク→仲が良いからこそ、「夫婦別室」


子どもにやさしい家づくりは大人にとっても快適で安心感を得られる住まいになります。家づくりは、家の価格やよい家づくりのための方法論ばかりに気を取られ、よい家についての具体的なイメージは二の次になっていませんか?また思い描くイメージが家族で共有できるものになっていますか?大人の視点で固められがちな家づくりに子どもの視点を加えると、住まいの健康性や安全性といった重要事項を意外と見落としていたりするものです。住まいの基本はやはり家族の健康と安全です。

「サザエさん(磯野家)の間取りから学ぶ」
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