廊下と階段を考える
よこ(平面)動線で重要なのが廊下、たて(立体)動線で重要なのが階段です。そして廊下・階段ともに大切なのが有効幅になります。
廊下
廊下の幅は一般に柱芯をモジュール通り91cmにし、両側の壁仕上げ分の厚みなどを引くと、有効幅で約79cmになります。
例えば、79cmの幅に全長3mの廊下があったらどうでしょう?
直感的に狭い感じを受けると思います。
では全長2mくらいの廊下ではどうでしょう?
もちろん3mと比べれば狭い感じはしないでしょう。しかし荷物の出し入れなどで不具合が生じるかもしれません。
そこで廊下の柱芯の幅を1mにした場合はどうでしょう?
これが意外と狭くは感じず、安心感を与えるスケールになるのです。
もちろん個人差があり一言では言えませんが、寸法上0.91×3=2.73mをひとつの目安に考えるとよいでしょう。廊下の長さが2.73mまでなら90cm(または1m)、2.73m以上なら1m以上にするとよいということです。
階段
住居の中で1番死亡事故が多いのは階段です。そして階段をつくる上で最も気をつけなければならないのは勾配です。
勾配を考えるときは「蹴上げと踏み面を足して45cm」を基準にすると良いでしょう。蹴上げが20cmであれば、踏み面は25cm。蹴上げが19cmであれば踏み面は26cm。このような勾配であれば、のぼりやすいはずです。
しかし蹴上げ21cm、踏み面24cmだと、やや勾配がきつくなります。これ以上きつくしてはいけません。
勾配のほかには、階段の幅を柱芯で1mをとれば有効幅で約90cm確保できるので、手すりを付けても狭く感じず、荷物の移動もしやすいでしょう。
日常生活で頻繁に使う階段だからこそ、広くのぼりやすくつくらなければならないのです。