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家庭が崩壊しない間取り―共感覚を育てる

大脳生理学の専門用語に「共感覚」と呼ばれるものがあります。今回はこの共感覚を育てる住まいを考えていきましょう。しかしこの共感覚とは一体どんなものなのでしょう??

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

共感覚とは

大脳生理学の専門用語に、“共感覚”と呼ばれるものがあります。これは何かを見る際、視覚だけではなく、聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚をともなった記憶が残っていくことです。例えば森の風景を遠くから見ただけで匂いや音がともない、「この景色、いい匂いがするね」といった感想が出たりすることなどが共感覚と言えます。そしてこういった感想を述べられるのは、右脳の発達した感性豊かな人とだと言われています。間取りを考える際、こうした共感覚を意識しながらプランを練ることは子どもの成長にとってとても重要です。

共感覚をつくる

お父さんの書斎の前を通るとタバコに匂いがした。結婚をしてこうして台所に立つと、お母さんの包丁の音のリズムを想い出す。など、こういった経験をされたことはありませんか?人は誰でも住まいの中の特定の場所には、そこにまつわる匂いや音、光などを感じるものです。例えば新築の家に招かれたとき、自分の家にはない空間であったりすると、こだわりを持って建てているかなど、施主の考え方が伝わってきます。それは施主が何かを意識して間取りを考えているからです。子どもにとってその何かを意識してつくられたものは、心の中にずっと棲みついて一生記憶に残っていきます。

心の岸辺に棲みつくのは両親との語らいやふれあい、そして普遍なる光・風・緑。これらを上手に取り入れたデザインやかたちをつくると、ずっと記憶されていくのです。

【家庭が崩壊しない間取りシリーズ】
家庭が崩壊しない間取り
ここ数年、家庭内での事件が多く発生しています。親が子を、子が親を・・・これらの事件を防ぐには、家づくりにも工夫が必要です。家族の団らんの場をつくる。それが大切なことなのです。

サッカー日本代表 中村俊輔が語る住の提言
先日、スポーツ新聞にサッカー日本代表の中村俊輔選手のインタビュー記事が掲載されていました。そこで中村選手が述べている「食」についての話。それは私の考えと似たものでした・・・。

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