家では寝ている時間が一番長い
DINKSの自宅での生活行動は、毎日寝ている時間が一番長く、加えて洗面・シャワー・入浴・着替えなどの身支度、週末はそれらをゆっくり、ゆったりと行う傾向にあるようです。ということは、生活の中心は寝室と洗面室・浴室・クローゼットということになります。就寝、起床の前後に身支度しやすいよう、寝室と洗面室・浴室・クローゼットの位置がつながっていること。また、洗面室・浴室・クローゼットはある程度のゆとりがあることがポイントになります。仕事のストレスによる不眠を訴える人が増えていることからも、快眠できる空間をいかにつくるかが、DINKSに向く間取りのポイントです。
これって、ホテルの客室(ただし、水まわりにはゆとりがほしい)と同じですね。DINKSの間取りは、実はホテルの客室の間取りを基本にすべきだと言えるのです。
ダイニングは必要、リビングは不要?
さらに、DINKSの暮らしには毎日の食事が加わります。したがってホテルの客室プラスDK(ダイニングキッチン)が必要です。ただし、平日は時々外食、休日もしかりですから、キッチンが活躍する場面はそう多くはありませんので、キッチンは広くて豪華である必要はないのです。また、都心ブロックや準都心ブロックに住む多忙なDINKSは、友人を自宅に招いてお食事会をというより、街にあるレストランやカフェなどの施設を有効に活用することで、コンパクトでシンプルなキッチンで十分とする考えかたが現実的でしょう。ただし、ダイニングは食事をしながらTVを見たり、休日にビールとピザでDVD鑑賞を楽しんだりと、何より夫婦の会話が弾むのは食事時ですから、たまにしか顔を合わせることができない夫婦にとっては、大切なスペースと考えるべきです。ダイニングでの会話と比べると、リビングのソファに座っての会話はグンと頻度が落ちるのです。
間取りの花形的存在であるリビングですが、生活行動パターンからみて、案外DINKSには不要の場合が多いと言えるでしょう。マンションを買ったら、リビングにはステキなソファセットを置くのが夢、という人は多いのですが、ソファタイプのダイニングセットを置けばある程度の夢は実現できます。そもそも13畳程度のLD(リビングダイニング)にダイニングセット、リビングセット、大型TVを共存させるのは無理があります。
リビングは不要ですが、持ち帰った仕事をこなすスペースは確保しましょう。ちょっとした書斎コーナーがダイニングの隅にあると便利です。
以上、DINKSに向く間取りの基本は、「快眠空間(ホテル客室)+DK・WITH書斎コーナー」というのが結論です。
次のページでは、ガイド大久保がプロデュースしたDINKS向けの間取りの紹介します。