建て替えると規模が小さくなってしまうマンションも
築年数が35年を超えるマンションは、建てられた後に日影規制のルールが設けられました。その結果、新しいルールからみると容積率オーバーの物件となり、建て替える際は、現状より階数の低い建物しか建てられなくなるというものもあります。これを既存不適格物件といいます。敷地にゆとりのあるマンションは、建て方の工夫によっては、たとえ容積率が少なくなってもこれまでと同じ規模の建物が建てられる可能性もありますが、こればかりは、いざ、このように建て替えるという具体的プランがなくては判断のしようがありません。買う決断をする前に日影規制と容積率との関係を確認しておいたほうが、資産価値の面では安心かと思います。
このように、超築古物件ならではの癖があることは間違いありません。やはり買い手となる人は、どうしてもこの立地が良い、自己資金に余裕がある、不動産に慣れているなど、限られた人にならざるを得ません。私の住戸を買った方も、ずっと同じエリアに住んでいて、このマンションのことを以前から知っていたそうです。いつか自分の条件に合う住戸が売りに出たら買おう、と考えていた方でした。
限られた人しか買わない超築古マンションですから、引く手あまたというわけにはいきませんが、立地の良さ、維持管理の良さが十分につたわれば、資産価値を認めてくれる、買い手は必ず現れると考えます。
古くて汚い住戸はリノベーションしたほうが売りやすい
中古マンションを敬遠する方々に理由を聞くと、古くて汚いからという答えが返ってきます。私は入居する5年前にリノベーションしましたので、売り出し時もまだかろうじて、きれいな住戸の部類でした。同じマンション内での他の売り出し住戸のほとんどが、リノベーション専門の不動産会社に買い取ってもらい、リノベーション後に売り出しするケースでした。一度、リノベーションせずに売り出した住戸がありましたが、なかなか買い手がつかないのか、しばらくするとリノベーションを行い、再度売り出しをかけていました。
こうしてみると、超築古マンションは不動産業者に買い取ってもらい、リノベーション後に売り出すほうが無難かもしれません。
ただし、不動産の市況が良い時は買い取りますが、売れ行き不振時には買い取りませんので、売り出し時期のタイミングを図る必要があります。
次のページで、売るタイミングについてお話しします。