衝動買いを防ぐには
新製品が身近に見られる環境で暮らすこと
「1.耐久消費財・大物」は、値段が高いので慎重に検討しがちですが、実は衝動買いが多いというのもこれらのモノの特徴です。衝動買いを防ぐには、新製品が身近に見られる環境で暮らすことが一番の対策です。日頃から、新型の車や新しいデザインの家具そして電気製品を見つけていると、見る目が肥えてくるだけではなく、新しいモノに対する免疫ができてしまい、いちいち感動して衝動買いをする意欲が減退します。こうした環境のなかで日々の暮らしを営むことができるよう、DINKSのマンション立地選択は、百貨店や専門店など買い回り品(耐久消費財の俗称。比較のために何店舗も見て回ることから)を販売する店舗が日常生活圏内にある、ターミナル駅などを最寄駅とする立地をお勧めします。
買い回り品を扱う店舗が身近にないと、わざわざ出かけていくことになります。片付く家にするためには、わざわざ出かけてきたのだからという理由で、つい買ってしまうという事態を、避けることが大事です。
こうした立地を選択し、日常的に新製品に接し、冷静に判断できる環境にあってもなお、どうしても欲しい新製品を買ってしまい、まだ寿命の残る使用中のモノの処理をどうすべきか、悩む場面がでてきた際の対応策は、また次回ご説明します。
鍋や食器は補充より最初の調達が決め手
「2.耐久消費財・小物」は「1.耐久消費財・大物」と同じ買い回り品ですが、価格がそれほど高くないモノのです。代表的なモノとしては、お鍋・包丁・食器などのキッチン用品や花瓶・写真立てなどの小物インテリア類が挙げられます。これらのモノは使いかたによっては、一生使えるモノです。したがってこれらのモノの補充基準は、壊れたりして使えなくなったら、その分を補充する、というジャストインタイム方式が一番いいと考えます。補充自体は特に難しいことではありませんが、これらのモノは価格がそれほど高くはないため、補充時期が来る前に、つい素敵!と気軽に衝動買いしてしまい、モノが増えて片付かない、という結果を招きがちです。
そうならないためには、実は最初の調達が肝となります。ロジスティックス戦略上は、補充より調達に、特に注意する必要があるモノといえるでしょう。一生使うかもしれない鍋、食器、花瓶などを初めて買う時は、国内外を問わず、世界的に評価された歴史ある生活工芸品のなかから選ぶことをお勧めします。こうしたモノは、30年、50年使っていても飽きない材質、デザインのモノであることを、その製造・販売の歴史が証明しているからです。
このように、世界の名品を使っていると、素敵に見えた新しいモノでも「やはり家にあるモノのほうが良い」と冷静さを取り戻すよりどころになります。目新しいモノに魅かれ、ついつい買ってしまうという、愚行から逃れることができます。
次のページでは、片付く家にするための立地条件についてお話しします。