最終決断の前に、マンションに対する自分の希望条件とその優先順位を再確認し、「本当にこの住戸でいいのね」と何度も自分に問いかけたM美さんでした。築年数の古さは気になるものの、その他の優先条件がほぼクリアされているこが決め手となりついに決定。「次はいよいよ契約ね」と緊張していたところに、不動産会社の担当者から電話です。

「いくらで交渉しますか」

「そうか、提示されていた価格は売主の希望価格だから交渉が可能なのだわ」と再認識。「購入価格が下がるかもしれない」との期待よりも、「どうやって価格を決めればいいのかしら」と不安が募ります。さて、M美さんの作戦はいかに?

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価格交渉は仲介会社間で!?


skichika
契約前の重要ステップは、価格交渉!?
M美さんが購入マンションを探すのに不動産会社へ仲介を依頼したのと同様に、今回の売主もまた不動産会社に売却を依頼しています。この場合、買主であるM美さんの意向を汲んだ不動産会社Aと売主の意向を汲んだ不動産会社Bとの間で価格交渉が行われます。

M美さん→(仲介)→不動産会社A ⇔ 不動産会社B←(仲介)←売主

「実際に住んでいるお宅を売主さん立会いのもとで内覧する場合は、生活が見えてとても重たい気持ちだったけれど、売主さんの顔が見えるという点ではよかったのかもしれません。今回は空き住戸を購入するので、売主さんとは契約時まで顔を合わさないのです。とても変な感じだし、どんな人なのかしらと少し不安です」とM美さん。顔が見えない人との価格交渉にも戸惑いがあったに違いありません。

M美さんの頼みは、不動産会社の担当者でした。

不動産会社の提示価格で交渉スタート

不動産会社が売主や買主から仲介を引き受ける場合は成功報酬です。取引が成立すると、物件価格の3%+消費税を上限に仲介手数料を受け取ります。取引の対象となる物件の価格が高ければ高いほど仲介手数料も多くなる仕組みです。

「頭ではわかっていました」とM美さん。「私の担当者は女性で、とても丁寧で親切。夜間の現地見学に付き合ってくれたり、不安や疑問にとても親身になって相談にのってくれたりしていたので、この人に頼るしかない、そう思いました」。

「いくらで交渉しますか」の問いに、「いくらくらいだといいでしょうか」と尋ね返すM美さん。担当者は「○○万円から○○万円の間くらいでしょうか」と答えます。「自分の予算からすればもうあと数十万円安いといいなぁ、というのが本当の気持ちでした」とM美さんは言います。

「あの時、希望価格まで値引いて提示すると売主さんが困るかなぁとか、あまりにも安い価格を提示して、それなら売らないって言われたらどうしようとか、余計なことを考えてしまったのです。」「相手のことを考えず、自分の考えに素直に価格を提示すればよかったと、残念でなりません」

「提示価格が低くてもすぐに交渉が決裂することはなく、今度は売主さんが希望価格を提示して折り合いを付けていく、そんな当たり前のことをあの時は考えられなかったのです。これまで周囲の人にいろいろ教えてもらってきたのに、肝心の価格交渉については誰にも尋ねませんでした。価格交渉というステップが予期せぬものだったから、慌ててしまったのかもしれませんね。反省しています。」

しきりに反省の弁を述べるM美さんをみていると、どうも思ったとおりの結果ではなかったようです。続きは、次ページをご覧下さい。