【ガイドの不動産売買基礎講座 No.60】

都市部の多くを占める市街化区域には、原則として用途地域が定められています。この用途地域に似た用語として「特別用途地区」「特定用途制限地域」などがあり、都市計画法建築基準法に馴染みがない人は、少し混乱するかもしれません。

今回はそのなかで主に「特別用途地区」のあらましをみていくことにしましょう。なお、特別用途地区について詳しくは ≪特別用途地区、特定用途制限区域とは?≫ をご参照ください。


特別用途地区とは?

特別用途地区とは、都市計画法による「地域地区」のひとつで、第9条に「用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区」と定義されています。

また、その具体的な制限内容については建築基準法第49条の規定により「地方公共団体の条例で定める」ことになっています。ただし、用途地域による制限内容を緩和するときには、国土交通大臣の承認を受けなければなりません。

特別用途地区は用途地域の指定があるところに重ねて指定されるものであり、「用途地域の制限内容は都市計画法と建築基準法により全国一律」なのに対して、「特別用途地区の制限内容は地方公共団体ごとにそれぞれ異なる」わけです。

特別用途地区の類型については従来、法律のなかで11種類が定められていましたが、より地域の実情に即した指定ができるようにするため、平成10年の都市計画法改正でその類型自体も地方公共団体で定めることができるようになりました。

たとえば、東京都内で指定箇所が比較的多い特別用途地区は「文教地区」と「特別工業地区」ですが、市販本の解説などをみても「地方公共団体ごとに異なる特別用途地区の制限内容」にはほとんど触れていないでしょう。

指定された用途地域による制限では認められるはずの建物が、これら特別用途地区の規定により実際には建てられない、ということがありますから注意しなければなりません。


特定用途制限地域とは?

特定用途制限地域は、用途地域の定められていない都市計画区域内(市街化調整区域を除く)において、「その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域」となっています。

用途地域が定められているところに重ねて指定されるのが「特別用途地区」、用途地域が定められていないところに指定されるのが「特定用途制限地域」です。


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