住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

マイホーム以外の売却におけるさまざまな特例

居住用財産を売却したときには3,000万円控除や買換えの特例など、いくつかの優遇措置があります。その一方で、マイホーム以外の売却で使える特例も少なくありません。その主な種類を確認しておくことにしましょう。(2016年改訂版、初出:2003年9月)

執筆者:平野 雅之

【ガイドの不動産売買基礎講座 No.69】

マイホーム(居住用財産)を売却したときには、3,000万円の特別控除買換えの特例所有期間が10年超の場合の軽減税率の特例譲渡損失の繰越控除の特例などがあります。その一方で、個人がマイホーム以外の不動産を売却したときに適用できる特例措置も少なくありません。

それらの一つひとつを説明してもキリがなく、実際に適用されるケースが少ないものもありますから、ここではどのような特例があるのか、その主な種類を挙げてみることにしましょう。

優良住宅地の造成などのために土地を売った場合の課税の特例
公共事業などの収用により土地建物を売ったときの特例
特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
平成21年及び平成22年に取得した土地を売った場合の1,000万円の特別控除の特例
農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例
事業用の資産を買い換えたときの特例
事業用の資産を交換したときの特例
既成市街地内にある土地を中高層耐火建築物の建設のために買換えや交換をした場合の課税の特例
特定の交換分合により土地を売った場合の課税の特例
大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地の造成のために交換などをした場合の課税の特例
保証債務を履行するために土地建物などを売ったときの特例
債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例
相続財産に係る譲渡所得の課税の特例
特定普通財産とその隣接する土地の交換の場合の課税の特例

このうち「公共事業などの収用により土地建物を売ったときの特例」については、5,000万円の特別控除の特例と、補償金などで他の土地建物に買い換えたときの課税の特例があります。

また、「保証債務を履行するために土地建物などを売ったときの特例」は第三者の保証人や連帯保証人として、借金返済を肩代わりする目的で不動産の売却をしたときのための特例です。

このように不動産の売却をしたときは、マイホームでなくてもさまざまな特例がありますが、これらの特例の内容を細かく知る必要はありません。

ただし、一般的なマイホームの売買とは異なる売却などをした場合には「何か適用できる特例がないか探してみたほうがよい」ということはよく覚えておきたいものです。

売却する相手が国や自治体(収用の場合)あるいは開発事業者などであれば、その買収交渉の過程で税務上の取り扱いも細かく説明されるでしょうが、それ以外の場合には特例の存在に気付かないこともありそうです。

必ずしも不動産業者が説明してくれるとはかぎりませんから、売却の必要に迫られたときには自分でもしっかりと調べておくようにしましょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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