瑕疵担保責任といえば、一般的には「建物の欠陥に対する補償」といったイメージが強いでしょうが、土地に対してもその適用があります。

この場合は「地下に空洞があって陥没した」「未知の埋設物があって障害になった」「土壌汚染された土地だった」などといった土地そのものの欠陥(物質的欠陥)だけでなく、都市計画法建築基準法など公法上の制限によって目的の建物を建築できないなどといった問題が生じたときにも、瑕疵担保責任に関する規定を準用できることになっています。

旗ざお状敷地の活用例

旗ざお状敷地の通路部分をうまく活用して趣きのある入り口にすることもできるが、その幅には十分な注意が必要

ただし、売主の瑕疵担保責任を追求するためには「買主はその制限の適用について知らなかった」ということが前提です。

ご質問のケースでは、通路部分の幅によって建築確認を受けられないということを知らず(宅地建物取引士から重要事項として説明を受けていない)、建築可能な土地と信じて購入していますから、買主は売主の瑕疵担保責任を追求できるでしょう。

また、ご質問のケースでは「本物件は買主が取得後、現況建物を取り壊すことを条件として売買するため、売主は瑕疵担保責任を負いません」という特約が書かれています。

しかし、文面上では明確にされていないものの「取り壊す建物については瑕疵担保責任を負わない」という意味に解釈され、土地に対する瑕疵担保責任までも免除した特約とみなすことはできません。

売主の瑕疵担保責任により、買主は売主に対して損害賠償の請求、もしくは「契約の目的を達せられないときには契約の解除」を求めることができます。ご質問のケースでは、建築確認を受けられず契約の目的を達することができませんから、契約の解除を求めることが可能です。

ところが、現実問題として考えたとき、売買代金の全額を買主へ返金して契約の解除に応じる能力が売主にあるのかどうかは疑問です。解決までに長期間かかることも十分に考えられます。

そこで、もう一つの対処方法を例示しておきましょう。ただし、実際にそれができるかどうかはケースバイケースですが……。

それは隣地の土地の一部を買収する方法です。下図のように通路部分に接する隣地の一部(赤枠部分)を買収することにより、通路部分の幅をすべての箇所で2m以上にできれば、建築確認は問題なく受けられることになります。ただし、通路部分の“長さ”に関する条例などの制限がある場合には、そちらの要件も満たさなければなりません。
旗ざお状敷地の略図
隣地所有者との買収交渉などは、売主や媒介業者にやらせればよいでしょう。もちろん、買収、譲り受けにかかる費用は売主(または媒介業者)の負担とさせるべきです。また、それに伴って塀やフェンスの造り直しが必要であれば、同様に売主側に負担させます。

なお、買収ではなく該当部分を隣地から借地することにしても建築確認には問題ありませんが、将来的に面倒を生じる場合もあるので注意が必要です。

ただし、いずれにしても隣地の所有者が応じなければできないことですし、隣地の容積率などにまったく余裕がなければ買収などに応じてもらうことも困難でしょう。「買収ができなかった場合はどうするのか」などの取り決めを、前もってしっかりと定めておかなければなりません。


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