将来を見据えた計画性のあるデザイン 続いては、玄関から上へ上へと上がっていく3層構造のD住戸です。 2階の廊下、左手にベンチ、主寝室、子ども部屋が並ぶ 1階はほんとに玄関だけ。ここで靴を脱いで階段を上がり、パティオを見下ろすベンチ付きの開口部のある2階の廊下を行くと、主寝室と予備室(子ども部屋)という2つの個室が並んでいます。 寝室から廊下を見る、ここからも出入りできそう ここでちょっと興味深いのが、寝室も子ども部屋も、壁がありながら下の部分が開放されていて中の様子がわかるようになっているということ。寝室にいたっては上部にも窓があって、そこからも視線が行き来するようになっています。いまはご夫婦だけの世帯とのことですが、将来生まれてくるお子さんをどのように育てていくかという姿勢が設計に表れているような印象ですね。 寝室には上部に窓もある、閉じるか開くかはあとで考える 子ども部屋の造り付けのベッド、役に立つ日も近い? さらに2つの個室を繋ぐ廊下には、そのまま親子共通のワークルームとしても使えるよう、長机が設えられていました。親子がいつも同じ空気を感じていられるようなこの場所なら、最近世間をにぎわしている親子の断絶なんて起こるはずがない。この住戸にはそんなメッセージが込められているような気がします。 子ども部屋から廊下を見る、壁はあってないような… 親子で使うスペース、みんなで使えば断絶など起こらない 3階は緑道を見下ろす真っ白なLDK。緑道側の開口部はそれほど大きくありませんが、逆にパティオ側(南)に大きく開口部を取り、南北に風が通る造りになっています。見れば天井にやや斜度がつけてあり、ちょっと一戸建ての感覚。これは緑道の開口上部の梁を天井裏に隠すことにも一役買っているのだそうです。シンプルそのものなだけに単調になりがちなこの空間に、こうしたちょっとしたデザインの工夫は、住まい手と設計者との良好なコミュニケーションを感じさせてくれますねー。住戸面積は約90m2とのことでした。 風が通るLDK、白い壁とコンクリートの対比が美しい 階段の隠し壁として設けられた収納が広がりを感じさせる この続きは、また来週お送りいたします! ■企 画 :ゼロワンオフィス一級建築士事務所 ■設計監理:ゼロワンオフィス一級建築士事務所+team2DK ■構造設計:大賀建築構造設計事務所 ■施 工 :松尾工務店 ■総合監修 :伊藤 正 ゼロワンオフィス ●敷地面積:392.48m2 ●建築面積:201.31m2 ●延床面積:643.53m2 ●住戸面積:70m2~97m2 ●主体構造:鉄筋コンクリート造 ●規 模 :地下1階、地上3階 敷地面積 :392.48 ? 建築面積 :201.31 ? 延床面積 :643.53 ? 住戸面積 :70m2~97m2 ◆ゼロワンオフィスのコーポラティブハウス作品一覧↓ 「sakuramira」 「M-Split」 「T-Treppe」Part1」 「T-Treppe」Part2」 「J-alley」Part1」 「J-alley」Part2」 「J-patio」Part1」 「J-patio」Part2」前のページへ1234※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。