世界遺産/アフリカ・オセアニアの世界遺産

ザンジバル島のストーンタウン/タンザニア(4ページ目)

ヨーロッパとオリエントとアフリカが交錯する文化の楽園ザンジバルは、世界でもっとも美しいビーチを誇る大自然の楽園でもある。今回は世界遺産「ザンジバル島のストーンタウン」と、ザンジバルのビーチを紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

世界有数の美しい海、ザンジバル島のビーチ

まっ白なパジェの海。ここから沖のリーフまで数百mもの超遠浅のビーチが広がっている ©牧哲雄

まっ白なパジェの海。ここから沖のリーフまで数百mもの超遠浅のビーチが広がっている ©牧哲雄

ザンジバルは長さ約100kmにも及ぶ大きな島で、見所はストーンタウンばかりではない。ストーンタウンの港には大きなサンゴ礁はないが、それ以外の海岸線はほとんどサンゴに覆われた野生の海洋リゾートなのだ。

たとえばバスで2時間ほどにあるパジェでは、膝ほどの深さが沖合い数百mも続く超遠浅のビーチが延々と続いている。海の色は深さによって劇的に変わるが、超遠浅のビーチの場合、潮の干満によって深さが大きく変わるため、その色も劇的に変わる。ほとんど水が引く干潮時はまっ白な海に、満潮時はクリームソーダやエメラルドグリーンへと変化する。

とても元気なブウェジュー村の子供たち。顔つきはストーン・タウンの子供たちと少し異なる ©牧哲雄

とても元気なブウェジュー村の子供たち。顔つきはストーンタウンの子供たちと少し異なる ©牧哲雄

その海にヤシの鮮やかな緑と熱帯特有の重い青が強烈なコントラストを描き出す。その外はサンゴのリーフになっていて、無数の色彩を放つサンゴと魚であふれ返っている。さらに外は完全な外洋で、マンタやサメが自由に泳ぐインド洋が広がっている。

ビーチをノンビリ歩いていると時おり村を見かける。サンゴとモルタルと木の葉でできた小さな家並みがヤシの林の中に浮かんでいる姿はとてつもなく美しい。村を歩いていると人々は元気に「ジャンボ!」。子供たちはビーチで貝やカニを採り、男たちはダウ船に乗って漁をして、女たちはビーチで食器を洗ったり洗濯をしている。

 

大自然に溶け込んで暮らしている生活はアラブというよりまさにアフリカ。顔つきもアフリカ風だ。どうしてストーンタウンの人々の顔つきと、こうも違うのか? これが奴隷制や支配階級 - 被支配階級の違いに直結するのだが、こうして街はまたそっと文化の意味を教えてくれる。

ちなみに、ザンジバルにはダイビングやスノーケリングのツアーや、島巡りの船旅、クローブなどの香辛料畑を巡るスパイス・ツアーなど、アトラクションも多い。リゾートに徹すればアフリカの高級リゾートを満喫することができる。
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