世界最大規模! スターアライアンス
現在、航空業界には3つの大規模なアライアンス(航空会社の提携グループ)があり、1社だけではできない、世界規模のネットワークや快適な旅を提供しています。世界初のアライアンスとなったのが「スターアライアンス」。加盟社数やネットワーク(就航都市の数)、運航便数、輸送量などにおいて、世界最大のアライアンスとして活躍しています。世界初の本格的なアライアンス
「スターアライアンス」は1997年5月に発足しました。2010年4月時点で26社が名を連ねる大きなアライアンスですが、97年当時の設立メンバーは、エア・カナダ、ルフトハンザ ドイツ航空、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ユナイテッド航空の5社でした。その後、99年にニュージーランド航空、および日本から初のアライアンスメンバーとしてANAが加盟。日本の旅行者にもアライアンスが身近な存在になりました。そして、2000年にはシンガポール航空やオーストリア航空、03年にはアシアナ航空など、04年にはUSエアウェイズなど、毎年のように新メンバーが参加します。その後も、06年にスイス インターナショナル エアラインズと南アフリカ航空、07年には中国から中国国際航空と上海航空が加わるなどメンバーが増加。昨年も米国大手のコンチネンタル航空(「スカイチーム」から移籍)、ベルギーのブリュッセル航空が加わりました。
欧米やアジアに多くのメンバー
加盟社数が多いうえ、各地域に複数のメジャーな航空会社がバランスよく含まれていることは「スターアライアンス」の大きな強みです。例えば北米大陸では、ユナイテッド航空、USエアウェイズ、コンチネンタル航空、エア・カナダの4社が、網の目のようにネットワークを広げています。アジアには6社のメンバーがいます。ご存知のように、うち1社が、日本から参加しているANAです。市場の拡大が目覚しい中国から、中国国際航空と上海航空の2社が参加していることも特徴といえます。日本路線の多いシンガポール航空とタイ国際航空も、旅行ファンにはおなじみのエアラインです。
そしてヨーロッパには、全加盟会社の半数にあたる13のメンバーがいます。中核となるのは、ルフトハンザ ドイツ航空で、同社のグループに入ったスイス インターナショナル エアラインズ、オーストリア航空、ブリュッセル航空(ベルギー)、bmi(イギリスの大手航空会社で、かつてはブリティッシュ・ミッドランド航空と呼ばれた)などもメンバーです。中欧に拠点を置く航空会社が多いため、ヨーロッパのどこへ行くにも比較的スムーズに乗り継げます。また南欧が拠点のTAPポルトガル航空やスパンエアー(スペイン)、北欧がベースのスカンジナビア航空(SAS)、東欧のクロアチア航空など、ヨーロッパのほぼ全域に個性豊かなメンバーがずらり。アライアンスの共通運賃「エアパス」(後述)を使うときにも、とても便利です。
アフリカからは、10年6月開催のサッカーW杯のメイン会場となるヨハネスブルクを拠点にする南アフリカ、およびアフリカを代表する航空会社の1つで世界でも有数の歴史を持つエジプト航空の2社が加盟。欧州に拠点を置くブリュッセル航空などもアフリカ路線が豊富です。
中南米方面はネットワークが少なめで、これまで「スターアライアンス」の唯一の弱点ともいわれていました。けれども、10年5月にブラジルのTAM航空が加盟する予定で、これにより南米のネットワークが強化されます。またコンチネンタル航空など他の北米系のメンバーも、メキシコやカリブ海沿岸諸国、南米方面へネットワークを展開しています。
“オセアニア代表”はニュージーランド航空。南太平洋地域において、「コーラルルート」と呼ばれる多彩なネットワークを有するのが特徴のひとつです。このように世界中のほとんどの都市へアクセスできるのが「スターアライアンス」のベネフィット。メンバーの路線を合わせると、世界の1000都市(空港)以上を網羅します。
今後もスターアライアンスには、ブラジルのTAM航空(10年5月)、ギリシャのエーゲ航空(同7月ごろ)、エアインディア(早ければ10年12月ごろ)が加盟を予定しています。これら3社を加えると、メンバーは総勢29社になります。