チェコ/プラハ

プラハのエリアガイド 

おもな名所は「ハラッチャニ」「マラー・ストラナ」「旧市街」「新市街」に集まっています。この4つの地区を上手にまわれば、一日で歩けるでしょう。プラハ城からそれぞれのエリアを実際に歩きながら、プラハの街をご案内いたします。

執筆者:増田 幸弘

百塔の街と詠われるプラハを歩く

朝靄に包まれたヴルタヴァ川。手前はカレル橋

朝靄に包まれたヴルタヴァ川。手前はカレル橋

プラハの街は大きく逆コの字型に蛇行するヴルタヴァ川沿いに広がります。この川はドイツ名であるモルダウ川といった方が、日本人にはなじみ深いかもしれませんね。チェコが生んだ音楽家スメタナの作曲した「モルダウ」は広く知られています。

このヴルタヴァ川にカレル橋という一本の橋が架かっています。彫像が欄干に建ち並ぶ、実に美しい橋。この橋を隔て、左岸に「ハラッチャニ」「マラー・ストラナ」「スミホフ」、右岸に「旧市街(スタレー・ムネェスト)」「新市街(ノヴェー・ムネェスト)」「ヨゼフォフ」「ヴィシェフラッド」というエリアが広がります。

おもな名所は「ハラッチャニ」「マラー・ストラナ」「旧市街」「新市街」に集まっています。これらは、上手にまわれば一日でも歩けるエリア。実際、プラハの中心部には観光バスが停めにくいため、団体旅行でもプラハ城から旧市街広場を経てヴァーツラフ広場まで、歩いて観光することが多いです。石畳の道は慣れないと歩きにくいので、履き慣れたウォーキングシューズで旅行されることをおすすめします。

プラハ城の周囲に広がるハラッチャニ

聖ヴィート教会の尖塔が威厳を放つプラハ城

聖ヴィート教会の尖塔が威厳を放つプラハ城

その昔、錬金術師が住んでいたとの伝説があるプラハ城の黄金小路。作家フランツ・カフカが書斎に間借りしていたことも

その昔、錬金術師が住んでいたとの伝説があるプラハ城の黄金小路。作家フランツ・カフカが書斎に間借りしていたことも

プラハ城を中心としたエリアで、中世の雰囲気をいまに伝えるストラホフ修道院や、鐘の音色が美しいロレッタ教会などの観光名所があります。外務省をはじめ、政府関係の役所が多いエリアでもあります。

高台にあるプラハ城からカレル橋へと続くネルドヴァ通りは、観光客向けにマリオネットや木のおもちゃ、手作りの石けんや蜜蝋ろうそくなど、チェコらしいお土産を売る店がたくさん並び、レストランや居酒屋もあります。

一方、プラハ城正門前に広がるハラチャンスケー広場からロレッタ教会のあるあたりには、静かなたたずまいの路地が続きます。そのひとつノヴィー・スヴィェット(新世界)通りの界隈は、時が止まったようなプラハならではの雰囲気に包まれています。

観光客向けのレストランが多いエリアですが、なかには地元の人でにぎわう隠れた居酒屋(チェコ語で「ホスポダ」)もあります。

 

マラー・ストラナは城下町のたたずまい

マラー・ストラナの景観。右手の丸いドームが聖ミクラーシュ教会

マラー・ストラナの景観。右手の丸いドームが聖ミクラーシュ教会

赤い瓦屋根が印象的なプラハの街並み

赤い瓦屋根が印象的なプラハの街並み

プラハ城下に広がる城下町で、マラー・ストラナとは「小地区」という意味。中心は美しいドームをもつ聖ミクラーシュ教会のあるマロストランスケー広場で、プラハ城からネルドヴァ通りの坂道をおりてくるとぶつかります。

マラー・ストラナにはかつて貴族の住んだ瀟洒な建物が多く、中世からルネサン ス、バロックにかけてのたたずまいをそのままいまに伝えています。歩いていると、タイムスリップしたかの感覚にとらわれることも……。こうしたロケーションを活かし、映画などの撮影もよくおこなわれています。

歴史ある建物を利用した、隠れ家的なホテルやレストランが多いのもこのエリア。カレル橋のたもとにたつ「三羽の駝鳥」と呼ばれるホテルもそのひとつ。16世紀ころまでさかのぼる古い宿屋を起源としています。各国の大使館が点在しているなかに、日本大使館もあります。

アンティークショップや古書店のほか、個性あるセレクトショップがあり、ぶらりと立ち寄ってみると思わぬ掘り出しものに出会うかもしれません。

カレル橋はマラー・ストラナと旧市街(スタレー・ムネェスト)を結ぶため、14世紀から15世紀にかけてつくられたゴシック様式の石橋。完成当初、橋にはなんの装飾もありませんでしたが、17世紀のころ、欄干に彫刻がたてられ、現在、合わせて30体が並んでいます。

橋のうえでは土産物屋が店をひろげ、似顔絵描きやジャズの演奏などでいつもにぎわっています。

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