チェコ/プラハ

プラハのエリアガイド (2ページ目)

おもな名所は「ハラッチャニ」「マラー・ストラナ」「旧市街」「新市街」に集まっています。この4つの地区を上手にまわれば、一日で歩けるでしょう。プラハ城からそれぞれのエリアを実際に歩きながら、プラハの街をご案内いたします。

執筆者:増田 幸弘

商人や職人の街として発展した旧市街

ゴシック様式の尖塔が美しいティーン教会と旧市街広場

ゴシック様式の尖塔が美しいティーン教会と旧市街広場

欄干に立ち並ぶ彫像が美しいカレル橋

欄干に立ち並ぶ彫像が美しいカレル橋

カレル橋を渡ってゴシック様式の古い橋塔をくぐると、カルロヴァー通りという細い路地に続きます。通り沿いには観光客向けの小さな土産物屋がいくつも軒を連ねています。チェコで盛んなマリオネットのほか、本来はロシア土産のはずのマトリョーシカ人形が並んでいたりするのはご愛敬でしょうか。

路地に沿うようにして建つ大きな建物はかつてイエズス会の修道院だったところで、クレメンティヌムと呼ばれています。多くの建物から構成される複合建築で、中にはバロック様式の荘厳な図書館などがあります。週末にのみの市をやっている一角も。

石畳の細い路地には「黄金の虎」という名物の居酒屋があります。とてもおいしいピルスナービールが飲めることから、地元の人のほか、ビール好きの人びとが世界中から集まるお店。椅子に座れば、黙っていてもビールが運ばれてくるのがチェコ流です。このピルスナーはチェコ生まれのビールで、キリンやアサヒなど日本のビールの多くもこのピルスナータイプです。

路地をさらに歩いていくと、道は旧市街広場へと通じます。この広場には、からくりの仕掛けのある天文時計や、美しい尖塔をそびえさせるティーン教会、ヤン・フスというチェコの生んだ宗教改革者の大きな像があります。天文時計では毎正時に12使徒が一巡する一幕の劇が繰り広げられ、一目見ようとする人たちでいつも人だかりができています。

イースターやクリスマスの時期など、旧市街広場には市が立ち、「シュンカ」と呼ばれるプラハ特産のハムを焼く屋台や焼き栗の店などが人気を集めます。特設ステージでコンサートが開かれたり、サッカーのワールドカップのときなどには大きなスクリーンが設置され、サッカーファンの声援が飛び交ったりする市民憩いの広場です。

 

旧市街とプラハ城を結ぶ「王の道」

20世紀初頭、チェコ人の社交場としてつくられた市民会館

20世紀初頭、チェコ人の社交場としてつくられた市民会館

旧市街広場と共和国広場を結ぶツェレトナー通りには、ボヘミアガラスを売る店などが建ち並びます。中欧でもっとも古い大学とされるカレル大学があり、学生向けの書店もあります。

火薬塔と呼ばれる塔をくぐると、共和国広場に行き当たります。17世紀に大砲の火薬の倉庫だったことからこの名がつきました。火薬塔の隣には、市民会館というアールヌーヴォー様式の建物があります。毎年5月に開催される世界的に名高い音楽祭「プラハの春」は、この建物にあるスメタナ・ホールが主会場となっています。

市民会館の向かい側にはパラディウムという大きなショッピングセンターがあり、幅広い層をターゲットにしたテナントがたくさんはいっていて、プラハっ子たちでいつもにぎわっています。お土産探しにも最適でしょう。

ツェレトナー通りから旧市街広場、カレル橋を経てプラハ城に向かう道は、「王の道」と呼ばれています。中世のころ、市民会館のある場所には王宮があり、プラハ城内にある聖ヴィート教会で戴冠式をおこなうため、王たちの行列がこの道を通ったことからその名があります。
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