春におすすめの神社と寺
次第に春めいてくるこの季節、寒い間になまった体を動かすためにも、散歩に出かけませんか?おすすめは、花を愛でながらの神社、仏閣めぐりです。この記事では、早春から晩春までのおすすめスポットをご案内します。
まずは梅見に行こう
鎌倉、円覚寺の梅
(1月下旬から3月中旬)
平安時代ごろは、花見と言ったら、むしろ桜より梅でした。種類や場所にもよりますが、早いものだと1月の下旬から咲き始め、3月中旬くらいまで楽しめます。寒い地方では、桜と梅が一度に咲く様子も見られることがあります。また、梅と言ったら天神様(菅原道真)ということで、各地の天神社や天満宮には、よく梅林があります。菅原道真は梅を愛し、無実の罪を着せられて福岡の太宰府に流された際に、京都の自宅の梅に呼びかける歌を詠みました。
あるじなしとて 春なわすれそ
「冬の終わりを告げる東風が吹いたら、また咲いて、遠くに行ってしまったわたしのところまで香りを届けておくれ。主がいないからと言って、春を忘れないように」
梅は主恋しさのあまり太宰府まで飛んできました。その梅は、「飛び梅」とよばれ、今も、太宰府天満宮の神殿の前に残っています。そして今も、春の到来を告げるために、一番早くから咲き始めるそうです。
梅見におすすめの神社と寺
太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
菅原道真の遺体を乗せた牛車がこの場所で動かなくなったため、ここに道真を祀る神社を建てました。伝説の「飛び梅」以外にも6000本の梅の木があり、長期間楽しめます。そしてもちろん、日本一の合格祈願の名所です。
京都 北野天満宮の梅花祭
北野天満宮(京都府京都市)
菅原道真はもともと京都に住んでおり、太宰府で非業の死を遂げた後、怨霊となって都にたたりをもたらすと恐れられました。その霊を慰めるために北野天満宮が建てられました。近くには上七軒という花街があり、毎年2月25日には、そちらの芸妓さん、舞妓さん総出の梅花祭が行われます。
荏柄天神社(神奈川県鎌倉市)
太宰府天満宮、北野天満宮と並ぶ、三大天満宮のひとつで、昔はもっと広大でした。現在は境内は小さいですが、風情ある梅見が楽しめます。
湯島天神(東京都文京区)
もともとは天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀った神社でしたが、十四世紀に菅原道真を祀る天満宮となりました。東京都心部一の梅見の名所です。2010年の梅祭りは2月8日から3月8日まで。
鎌倉で早春の花めぐりをしよう
鎌倉でよく見られるハクモクレンの花
まだ寒さが残るこのシーズンですが、梅以外にも、春の到来を告げる小さな花があちこちの神社仏閣で咲いています。とりわけおすすめは鎌倉です。桜のシーズンは混雑しますが、3月中旬までならそれほど混みません。ぜひこの季節にゆっくり歩いて、素朴な早春の花を楽しんでください。
コースの一例
ハクモクレンの花めぐり(3/15ごろ~ )
中国南部原産の花で、韓国などでも、寺でよく栽培されています。清楚でたいへん美しい花です。ハクモクレンが見られるのは、建長寺、円覚寺、鶴岡八幡宮、報国寺などです。
コースはこちらのサイトを参考にしてください。
鎌倉では、その他、ロウバイ、ミツマタ、マンサクなどの早春の花が、あちこちの寺や神社で見られます。詳しくはこちらをごらんください。