2位:月の中
「月の中」と書いて「つきんなか」と読む。蒸留所がある場所は昔から「月中(げっちゅう)」と呼ばれ、名前の通り月の名所だったところ。現在の住所は宮崎県西都市下三財。操業は明治23年。家族経営で焼酎屋を営む岩倉酒造場の銘柄だ。常圧蒸留で宮崎では比較的珍しいアルコール25度。一見、しっかりコク系の芋かと思いきや、超すっきり系で甘い芋の香りがあるものの、クリーンでクリアでミネラルウォーターのような舌触りが印象的。
数年前の焼酎特集の雑誌企画で、テイスティングをし味わいと香りのチャート表を作ったとき、ともかく一番軽やかな香りで最も淡い味わいだったのがこれだった。しかし、滋味豊かで後を引く。ロックもいいが、お燗も柔らかくてお勧め。今やプレミア焼酎の一つだ。アルコール20度や35度もある。
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1800ml 7,000円前後
720ml 3,500円前後
■岩倉醸造場
住所:宮崎県西都市大字下三財7945
電話:0983-44-5017
1位:くじらのボトル
愛嬌のあるくじらのイラストが印象的な「くじらのボトル」は、くじらのイメージがぴったりの大海酒造の人気ブランド。大海酒造は9社が集まり設立した協業組合で、伝統の技と新しい感覚でさまざまなタイプの焼酎を世に送り出している。
焼酎全体のライトタイプで第1位にランクインしている「海」、コクのタイプでランクインしている「さつま大海」に次ぎ、芋焼酎のライトタイプで第1位はこの「くじらのボトル」だ。黄金千貫を使用し、白麹仕込み、常圧蒸留と、芋焼酎としてはかなりスタンダードな造り。しかし、その風味は、芋の甘さがありながら全体にすっきり軽快。芋嫌いでもこれなら飲めるという人多し。
水割りやロックもいいが、お燗やお湯割りで軽快さを味わえるということで第1位。黒麹仕込みや綾紫使用のものもある。
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1800ml 2,121円
720ml 1,239円
300ml 588円
■大海酒造協業組合
住所:鹿児島県鹿屋市白崎町21番1号
電話:0994-44-2190