熟成古酒の定義とその味わいとは?
会場は馥郁たる熟成酒の香りに包まれた。 |
でも、昔は「日本酒をほったらかしにすると酢になる」なぁんていわれていたし、日本酒に熟成の概念はないと思われていた。
古くから古酒の研究を行っていた昭和60年設立の「長期熟成酒研究会」と、平成6年発足の「長期熟成清酒勉強グループ」の合同組織による熟成酒きき酒会「熟成古酒ルネッサンス」に参加してきた。
ますますおいしい古酒が目白押しだった。
トモダおすすめ銘柄紹介の前に、同会が考える「熟成酒」についての豆知識をちょっと。
【熟成酒の定義とは?】
酒税法上の明確な分類はないが「満3年以上熟成させた、糖類添加酒をのぞく清酒」を同会の定義としている。
【熟成古酒のタイプは?】
(1)淡熟型タイプ
低温熟成。吟醸酒の品のよさを残し、香味が柔らかくきれいで元の
酒の特徴に熟成を加え、色・香り・味ともに穏やかに変化したタイプ
(2)濃熟型タイプ
常温熟成。甘く力強い独特の香りをもち、濃醇で、熟成により色、
香り、味わいが大きく変化した風格あるタイプ
(3)中間型タイプ
(1)と(2)の中間タイプ
【熟成古酒の魅力は?】
飲んだあとの「酔い覚めのよさ」と「流れる悠久の時を感じる味わい」が醍醐味。
【熟成古酒と料理の相性は?】
(1)淡熟型タイプ→生ハム、ロールキャベツ、イカの塩辛、グラタン
(2)濃熟型タイプ→ブルーチーズ、焼肉、ビターチョコ、すきやき
(3)中間型タイプ→チョコレート、酢豚、干しぶどう、牛しゃぶしゃぶ
まるでワイン。ヴィンテージ入りの日本酒がずらり揃った。 |
MY古酒(自家熟成酒)を造ってみよう!
なんと、自宅でも熟成酒を造ることができる!(1)酒の種類により出来上がる古酒のタイプが違う。
純米酒・本醸造酒=濃熟タイプ
大吟醸酒・吟醸酒=淡熟タイプ
★無濾過のものがおすすめ。生酒ではなく火入れ酒がいい。
甘口で酸度のあるものが変化が大きい。
(2)紫外線が良くないので、ボトルを新聞紙でくるんだり、箱に入れて紫外線を
カットし、立てて保存する。保管開始の年月日を記入する。
(3)酒の種類により、保管の仕方・場所を考える。
・純米酒、本醸造酒=濃熟タイプ → 常温保管。
・大吟醸酒、吟醸酒=淡熟タイプ →最初の1年間は冷蔵庫など4℃
程度で寝かせ、それ以後は15~18℃
くらいの場所に移動する。
(4)濃熟タイプ=常温タイプは、約3年ほどで劣化現象がとまって熟成に
向かい、7~8年で飲める。20年もすれば「解脱」し、冷やから
ヌル燗まで楽しめる。
(5)淡熟タイプ=定温タイプは、熟成しても色の変化が少なく、うっすらとした
淡黄色。12~13年で飲み頃を迎える。冷やオンザロックで楽しめる。
会場は若い日本酒ファンが多いのに驚いた。熱気ムンムン。 |
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