日本酒/日本酒関連情報

今、世界でSAKEブーム(2ページ目)

今年11年ぶりに日本酒輸出量が過去最高水準に達した。国内消費が減少の今、海外での日本事情をさぐってみた。

友田 晶子

友田 晶子

日本酒・焼酎 ガイド

トータル飲料コンサルタント。ソムリエであり日本酒・焼酎きき酒師。アルコール飲料と食全般に携わる。キャリア30年の経験と女性らしい感性で愛好家・プロ向けに的確な情報を提供。日本料飲サービス向上研究会会長。藝術学舎・非常勤講師。著書多数。(一社)日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(SAKE女の会)代表理事。

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「JAPAN is Cool」でブームを越え定着のアメリカ大都市圏

アメリカでの試飲会はどこも盛況。質問攻めは当たり前!
海外でダントツ日本酒人気を誇るのはなんといってもアメリカ。
この日本酒人気をしるために、アメリカでの日本食の簡単な歴史をみてみたい。
当然ながらアメリカでの日本酒消費の7~8割は日本食レストランで消費されているのだ。

ちなみに農水省の統計によると、アメリカの日本食レストランは現在9000件。1995年には4000件あまりだったので、この10年で2倍以上の増加になっている!


【アメリカにおける日本食・日本酒のプチ歴史】

大盛況の、はせがわ酒店・サンフランシスコ試飲会の様子。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなどはもともと戦前から日系人町があり、輸入清酒は少量だがそのころから行き来があった。ちなみにアメリカ国内での清酒製造は1908年のホノルルといわれている。

戦後50年代~60年代には、日本の高度経済成長とともに日本人駐在員、旅行者が増加。さまざまなスタイルの日本食レストランが普及しはじめた。ちなみに60年代の日本食レストランの数は300店。

毎夜大混雑のNYの巨大!高級創作ジャパニーズ・ダイニング「MEGU
70年代に入って急増したのはSUSHIレストランだ。弁護士、医者、俳優などセレブ層の支持を得て、SUSHIブーム到来。生魚を食べないアメリカ人向けに生み出されたカリフォールニア・ロールなどの新メニューの成功で、アメリカン・ロール寿司&HOT SAKEがトレンドとなる。

70年代後半から80年代にかけて、アメリカ国内で生産されたアメリカ清酒が流通しはじめる。

バブル時期には、日本食レストランのオープンが相次ぎ、業界の黄金時代を築いたが、バブル崩壊後は、韓国、中国、東南アジアからのノン・ジャパニーズの参画が目立つようになる。

アメリカの人気日本酒ブロガー・日本酒コーディネーター松本裕司氏の日本酒セミナー。松本氏のブログも人気がある。
SUSHI・SASHIMIを主とするノン・ジャパニーズを含めた日本食レストランに大きな波をもたらしたのは、なんといっても「健康志向」。脂肪分、糖分、コレステロール、カロリーが少なく、バランスのとれた食材と料理法の日本食はアメリカ政府が提唱する栄養目標にも沿ったもので、この健康志向後押しが日本食・日本酒への大きな波となっている。

近年では、日本の伝統文化はもとより、ハイテク、ゲーム、アニメなど「OTAKU」文化をもふくめたJAPANムーヴメント「日本はカッコイイ」=「Japan is cool」の流れのなか、JIZAKE専門店のオープンやSAKEソムリエの登場、フレンチなど欧州料理と日本酒のコラボレーションなど、日本酒は、より本格的に、より高級に、より創作的に、よりグローバルに変化しつづけているのだ。
うう~ん、日本酒ってカッコイイ!


第2回世界きき酒師コンクール最終決戦には、アメリカから3名、イギリスから1名、台湾から1名の参加があった。

アメリカ西部から同コンクール決勝出場のクリステン・ロレンツさん。すばらしいパフォーマンスに会場もびっくり。



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