うわっ、わからん、難しい!

「日本酒のオフ・フレーヴァー」のブラインド・テイスティングの体験リポート。主催とサンプル提供は、福井県大野市の「南部酒造場」
代表的な12のオフ・フレーヴァーのポイントは前回の記事をご覧いただくとし、実際に、テイスティングした結果と体験をご報告しよう。

まずは、下のようなコメント用紙が配られる。



順不同に並んだ、オフ・フレーヴァー・サンプルを、用紙に書かれている1~12の名称に当てはめていく。私のブラインド・テイスティングの感想と結果は以下の通り。
12点中5問正解。

<1>吟醸香1(カプロン酸エチル)
  → ○ (熟したりんごの香り。ワインにもある)

<2>吟醸香2(酢酸イソアミル)
  → ○ (熟したバナナやメロンのにおい。ワインにもある)

<<3>老ね香
  → × (あまりいやな匂いや悪い印象がない)


コメント用紙に書き込む。やればやるほど混乱するテイスティング。
<4>ダイアセチル臭(つわり香)
  → × (<5>と勘違い。解答を知って嗅いでみるとたしかにチーズの香りがした。つわりって言われても、むむむぅ・・・だが)

<5>酸臭
  → × (<4>と勘違い。<4>も<5>も、酸っぱい匂いがすることには違いない)

<6>酢酸エチル
  → ○ (これはわかりやすい。まさにお酢の臭い)

<7>アセトアルデヒド臭(木香様臭)
  → ○ (シェリーのような香り)

<8>生老ね香(ムレ香)
  → × (強く感じるが何の香りか判断できない)

<9>炭素集(炭臭)
  → × (これはほとんどわからない。実際に使用される炭そのものを嗅いでみたけれど、香りなし。よく、「これは炭臭が強いね」なんていう評論家がいるけれど、ほとんどの人はわかっていないらしい。これ嗅いで、納得しました)

<10>木香
  → ○ (これはわかりやすい。樽酒のよう。またワインでも慣れた香り)

<11>紙臭
  → × (これもわからない。実際使用されるろ紙を嗅いでみると、紙の匂いがするが、お酒に混じるとわからない)

<12>ゴム臭
  → × (これもわかりにくい。言われて嗅いでみるとなるほどちょっとビニールっぽい感じがする。また飲んでみると後味にゴムっぽいニュアンスも)


炭の香りなんか、わかるかいっ!


正解公表後には「あ、なるほどね~」と納得できる。
さらに、参加者の正解不正解を調べると、
比較的正解者が多いのが、<1>、<3>、<4>、<5>、<6>、<7>、<10>。

不正解者が多いのが、<2>酢酸イソアミル、<8>生老ね香、<9>炭素臭、<11>紙臭、<12>ゴム臭。

友田個人としては、<2>酢酸イソアミルは、ボジョレー・ヌーヴォーによくある「MC法」(マセラシオン・カルボニック法)の香りで嗅ぎなれているせいかすぐにわかった。最近の吟醸酒には、少なくなってきている香りのひとつなのだとか。

逆に<1>カプロン酸エチルは増える傾向にあるとのこと。心地よく感じる量は2~3ppm程度だが、新酒鑑評会向きに造られる吟醸酒には7~8ppmほども含まれているのだとか。多いときは12ppmというものまであるらしい。

二日酔いの素になるといわれる<7>アセトアルデヒドだが、スペインのシェリーにはこれが多量に含まれていると聞いたことがある。シェリーっぽいものを探したらあたった次第。
どれも、サンプルとして通常に含まれる量よりも多めに添加しているというお話。実際のオフフレーヴァーを感知するには、かなりの訓練が必要のようだ。

いやはや、なかなかに難しい体験だったが、お酒のプロフェッショナルなら、鍛え上げたい感覚だ。文章のみで物足りないかと思いますが、日本酒のお味見の際のご参考にしていただけたら幸いです。


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