「日本酒といえば秋か冬だ」と思っている人、それは、大きな間違い。実は、夏向きの日本酒というのが、けっこうあるのだ。

今回は、友田晶子おすすめの夏向き日本酒、とくに、冷酒で楽しめる銘柄のベスト5を、その飲み方と一緒にランキング形式で紹介していく。ビールや発泡酒に飽きたらぜひ選んでみてほしい。仲間に紹介すれば、一目おかれること間違いなしだよ。
(掲載の金額は、販売店によって多少の違いがあります)


5位: 千福 純米大吟醸「蔵」 (三宅本店・広島)


ひんやりとした触り心地(?)の白い容器は、蔵の白壁をイメージしたものだとか。
極上の純米大吟醸はエレガントなフルーティーさが身上。冷やしてワイングラスに注げば、りんご・洋ナシのようなさわやかな香りや、バナナ・パイナップルのようにトロピカルな香りがめくるめくように立ち上る。

そう、この広島産の極上の純米大吟醸「蔵」は、ぜひとも、ワイングラスで楽しんでいただきたい。「日本酒度プラス4」ときりりとした辛口だけど、広島産の米と水で丁寧に醸されたその味わいは、なめらかでふんわり優しい女性的なところが魅力なのだ。ワイングラスなら、その上品な風味が倍増して感じられるはず。

モンドセレクションに選ばれた間違いのない味わいは、やっぱり、旬のお刺身といっしょにお楽しみいただきたい。はい、日本酒の王道です。ひらめ、鯒、白キス、あわび、とり貝、アジ、太刀魚……などなど夏の盛りの魚介と一緒に、ソフィスティケイトされた組み合わせを堪能しよう。

●千福 純米大吟醸 「蔵」 720ml 2,500円(税別)
「株式会社三宅本店」


4位: 吟醸生酒「初花」 (金升酒造・新潟)


ミネラルウォーターのように清冽な印象のボトル。見るからに涼しげ。
酒は「寒仕込み」という。理由は、低温でゆっくり醸すと、華やかでいて切れのあるクリアな味わいになるためだ。

新潟地元産の五百万石を、雪深い寒の時期に仕込み、さらに低温でじっくりと熟成させたのがこの「初花」。やや甘口といわれるこのメーカーの中では、「日本酒度プラス5」という辛口仕上げ。ただ、ゆっくりと熟成させているためにまろやかに感じられる。このバランスが見事! 

さらには、いやみのない吟醸香とミネラルウォーターのような清冽で瑞々しい口あたりも大きな魅力。なぜなら、おいしい水の里、新潟は飯豊山系の湧き水が仕込み水だから。山の水仕込みの味わいは、蒸し暑さをさらりと吹き飛ばしてくれるはずだ。

おつまみは、なんと言っても、冷奴! 氷に浮かべたつめた~い絹ごし豆腐のなめらかで繊細な味わいにぴったんこ。日本人に生まれてよかったと実感できる瞬間だ。

●「吟醸生酒 初花」 720ml 1,400円
「金升酒造株式会社」


3位:  「完熟生もと 生原酒」生もと造り 本醸造生原酒 (大七酒造・福島)


涼しげなフロスティーボトルで上品な印象。大人の「生酒」だ。
夏だからって、軽快で爽やかなタイプの日本酒ばかりでは芸がない。涼しげだけど、しっかり飲み応えのあるものもおすすめしよう。

生もと造りで有名な福島県の大七酒造。「生もと造り」とは、空気中から天然の乳酸菌を取り入れて手間隙かけて仕込む昔ながらの製法のこと。ヨーグルトのような柔らかな酸味と旨味が感じられ、なめらかさとコクが大きな魅力となる。

とくに、この「完熟生もと」は、冬に造られた新酒を瓶詰め後、生のまま約五ヶ月間じっくり熟成させたもの。新酒のぴりぴり感がまろやかになり一層豊潤な味わいが楽しめる。夏ならではの旨味ある逸品だ。

夏に旬を迎える食材には一見あっさり感じるが、実は味わいの濃いものが多い。たとえば、穴子、ウニ、ウナギ、岩ガキ、アワビ、鱧、伊勢海老、オコゼなどがそれ。旬の栄養たっぷりの食材にあわせるなら、これで決まりだ。

●「完熟生もと 生原酒」生もと造り本醸造生原酒 720ml 1,620円
「大七酒造株式会社」


2位: 「夏祭り とび六」 微発泡・吟醸にごり生酒 (出羽桜・山形)


お祭り気分満載のボトルもインパクトあり。おすすめは300mlの飲みきりサイズ。
最近ますます注目の発泡清酒。シュワシュワ、プチプチ、フレッシュに楽しめるスパークリングの日本酒だ。まさに、夏向き。爽快さ満点のお酒である。
ビールに飽きたら、この発泡清酒で乾杯がおすすめ。ちょっぴりお洒落で新しい味は、女性にも大人気間違いなしだ。

吟醸造りに定評がある山形の出羽桜酒造が、初夏から限定発売しているのが「夏祭り とび六」。華やかでフルーティーな吟醸香が鼻腔をくすぐり、やわらかい炭酸が喉をやさしく洗い流してくれる。

ほんのり甘口だけど、後味がすっきり軽快で、なんとも良い飲み心地。躍動的で、それでいてちょっとセンチメンタルな夏祭りの思い出を彷彿とさせるようななんとも懐かしい味。それが「夏祭り とび六」の魅力なのだ。ちなみに「とび六」の名前は「どぶろく」からきているのだとか。

乾杯で喉の渇きを癒したあとは、おろしポン酢でいただく豚の冷しゃぶや、豚肉とキムチの炒め物などとあわせたい。油っぽさを洗い流してくれる。また、女の子たちには、フルーツと一緒にデザート感覚でおすすめしてみよう。さくらんぼやパイナップルと一緒に飲める日本酒なんて、イケてるでしょ。

●「夏祭り とび六」 微発泡・吟醸にごり生酒  300ml 630円
「出羽桜酒造株式会社」


1位: 「上善如水 涼風なま」 純米吟醸  (白瀧酒造・新潟)


清涼感あふれるこのボトル!まさに夏向き!!飲みきりサイズの300mlは、ボトルのままでゴクリもいいかも。
瑞々しい味わいの日本酒といえば、なんと言っても新潟のお酒。とくに白瀧酒造の「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」は、このインパクトのある名前のとおり、湧きいずる岩清水のように新鮮で清冽な味わいで知られる銘柄だ。

今回おすすめの夏向きアイテムは「涼風なま」と冠された純米吟醸酒。火入れをしていない「生」なので、出来たてのフレッシュな香りと味わいが堪能できる。初夏から梅雨、そしてぎらぎらの真夏まで爽快さを楽しませてくれるはずだ。

アジサイや夏の雲をイメージする清涼感あふれるボトルもうれしい。氷水の中にザブンとつけ込んで、冷え冷えをいただこう。もちろん、グラスも一緒に冷え冷えにするのが正解!

おつまみは、やっぱり氷水に浸してきりっと冷たくしたきゅうりやトマトをカプッとやりたい。ミネラルたっぷりの塩や旨味凝縮の味噌を添えれば、純米酒の旨味も満喫できる。

夏野菜のきゅうりやトマト、さらには茄子や瓜などは、自然に体を冷やしてくれる作用のあるありがた~い食材。冷房に頼らずに健康的に過ごしたい。そんな時のおつまみに最適だ。さあ、「涼風なま」をぐびっといって、涼風を感じようじゃないか!

●「上善如水 涼風なま」 純米吟醸  720ml 1200円、300ml 600円
「白瀧酒造株式会社」


※上記すべて掲載時(2017年6月)の情報・価格です。


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