700石に命をかける!
「花垣」銘柄で知られる南部酒造場の創業は享保十八年(1733年)。当時は大野藩御用達の金物商を営んでおり、明治34年より酒造りをはじめた。
「特定名称酒のみの生産」「製品の半分が純米酒」「平均精白50%」という手間のかかった造りが大きな特徴となる。
総生産数700石と聞いて驚いた(もっと多いように思ってた)。丹念で丁寧で生真面目な造りは10月後半から4月上旬まで続く。これは一般の造りより長いほうだ。
杜氏さんも、ふるさと能登の珠洲市に帰るのが4月中ごろになるので、杜氏仲間から「おまえのところは、いったい何石造ってるんだ?」といわれて困ると笑って教えてくれた。
米は手洗い。吟醸になると数秒間の間合いが重要になる。
朝の「蒸し」は戦場並みの忙しさだ。
花垣の味を生み出す重要な「蒸し」。