日本酒/酒造、酒蔵訪問

福島うまい酒うまいもん探訪2 『廣木酒造』(2ページ目)

福島の蔵5つをめぐった。2回目の今回は廣木酒造。そう、あの大人気の『飛露喜』だ。伝統と新しさの融合を確かめてきたよ!

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

いい酒は「川上から」!


ここが麹室。ここも清潔で新しい。麹は山田錦、掛け米は五百万石を使用とのこと。(=左)
貯蔵タンクの周りには手作りのジャケットを巻いて温度調節する。お宝の貯蔵倉だ。(=右)
さて、清らかでコクとうま味のバランスがすばらしい「飛露喜」が生まれる過程はいったいどんなものなのだろうか、ということで、早速蔵の中を案内していただいた。

蔵の建物は歴史を感じるが、機械はきれいでどれも新しいのにびっくり。
「すべての米は10kgごとに手洗いします。10秒単位で時間を計りながら行うんです。」 「脱水は遠心分離機で。麹米は中に水分が残り、外側が乾いているものがいいので、これだといいものができるのです。」と健司さん。
「天気とか湿度とか温度とか、その日によってかなり違うものだから、コンピューター任せにはしない方針。っていうか、もう全部自分で管理したいんですよね」と笑う。

さらにポリシーは「川上よりしっかり」。原料の段階、造りの最初から、気を抜かず手間掛けて・・・ということだ。ふむふむ、これが飛露喜の味の根源なのだな。


左から洗米のかご、真ん中が遠心分離機、左が蒸し釜どれも新しくてきれい。


左は酒母。中の入れ物にお湯を入れて暖めたりする。手間がかかる。
中央は発酵が始まりかけているもろみ。
右はまさに「高泡」の状態。元気に酵母が働いてくれている。


9代目に期待!!


意外に知らない人がいるかも。飛露喜は限定商品で、廣木酒造のメインアイテムはこの「泉川」だ。ラベルのデザインはなかなかにおしゃれ。
「飛露喜」を造ったのは平成10年からで、先代が亡くなった後から。ということは、今の健司さんが、いわば自分の経験とさまざまなアドバイスで出来上がった銘柄ということになる。

「時代に乗ったからでしょう。借金がなかったからいろんな機械を導入できたし・・・(笑)」と謙遜するが、そのセンスとやる気は、こりゃ、簡単にまねはできないと思う。

9代目の健司さん、「三郎次」を継ぐのはいつになるのかな。それまでずっと見守っていきたい気分になった。




特別純米酒 無ろ過生原酒 飛露喜」1800ml 2500円。

今年の2月にできたばかりのお酒。
まずは冷やや常温で飲んで新鮮さを。瑞々しさとクリーンな味わいを楽しめる。
あとはヌル燗も結構いける。しっかりと米のうま味と甘さを実感できる。



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