これから来るのは「旨口淡麗」


少し前までは、日本酒といえば「淡麗辛口」だった。べったり甘くてヘンな後味と思われていたイメージから、すっきりあっさり洗練された口当たりにかわり、「これなら飲める」と日本酒ファンを増やした。

そのあとに来たのが「濃醇旨口」。すっきりだけでは物足りなくなってきた日本酒通たちに受けたのが、しっかりコクと旨味のあるタイプ。ろ過をせず旨味を残したタイプも人気となった。

さて、実はこれから注目すべきは、このどちらをも兼ね添える「旨口淡麗」、もしくは「豊潤淡麗」タイプなのだ。飲み始めは旨味とふくよかさがたっぷりあるけれど、後味はすっきり爽快で、また次の一口がほしくなるようなお酒。

この「旨口淡麗の酒蔵」を自称するのが、山形は羽黒町の「竹の露」だ。特に、代表銘柄『純米吟醸 白露垂珠(はくろすいしゅ)』は、舌にぽってりと重さを感じるくらいに米の旨味や甘味を楽しませながら、余韻にはまるで岩清水を飲んだあとのような清涼感が残り、あららというまに、もう一口ほしくなるといった印象のお酒なのだ。


出羽三山の瑞々しい味わい「白露垂珠」


『白露垂珠』は「白い露が真珠のように滴り落ちている様子」をあらわした李白の詩からきているというが、言葉どおり、透きとおったみずみずしい味わいで、私たち酒飲み仲間のあいだで一躍ランキング上位となった銘柄なのだ。

この白露垂珠シリーズは、蔵人と周辺篤農家39軒が栽培する、羽黒の水と風土にフィットした酒造好適米(亀ノ尾、改良信交、京ノ華、美山錦、出羽燦々)だけを使用した「蔵前栽培米100%」のお酒。ボルドーワインで言えば「シャトーもの」、ブルゴーニュで言えば「ドメーヌもの」、カリフォルニアで言えば「エステートもの」と同じで、原料から瓶詰めまで自社一貫の造りがこの個性ある味わいを産み出したといえるだろう。

さらに、蔵内から沸き出る出羽三山深層水の味わいもかなり影響している。この仕込み水を飲んだ仲間の一人は「軟水とは思えないほど深みと旨みがあって、それでいて喉越しがさっぱり・・・、おや、お酒の感想と同じ」と驚いていた。このあたり「白露」の真髄かもしれない。

最初の旨味と後味の爽快感でいくらでも飲めてしまうのだけど、「はい、僕も毎晩たくさん飲んでいます。ヒアルロン酸たっぷりですよ」と冗談まじりに笑う製造責任者の相沢さんのお顔は本当に色艶がよくつるつる。毎晩飲んでもこんなにきれいならうれしいかぎりではないか。

名刺に「無限責任社員」と書き込んである相沢さんの笑顔を見ていると、なるほど、永遠に責任を負って造られた『白露垂珠』に、なにか一本筋が通るような気がした。



■竹の露合資会社 0235-62-2209 

   「純米吟醸 白露垂珠(はくろすいしゅ)」  720ml 1,748円 
                            1,800ml 3,496円




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