忍者も飲んだ?ナゾの甘口純米酒

『蒼星美酒』一合瓶は¥2,420。720mLは¥1,300。
「ナゾの甘口純米酒。旨味がたっぷりで、一日中訓練して疲れた忍者も満足じゃと言って、ぐっすり眠れそうな美味しい風味」と、いささか唐突な裏書が妙に気にかかる今回ご紹介の『蒼星美酒』。なんで「忍者」が「満足じゃ」なのかといえば、このお酒の故郷が伊賀上野市だから。はい、伊賀忍者の里なんですね。

本当に忍者が飲んだかどうかは定かでないが、『蒼星美酒』の造り手、合名会社森本仙右衛門商店はこの地で弘化元年(1844年)から酒造りをしている。『黒松翁』がメインブランドだが、販売の8割は三重県内というから、全国的にはあまり知られていない。

でも、日本吟醸酒協会の初回メンバーであり、全国新酒鑑評会では通算12回金賞受賞を果たしている実力ある蔵である。どの商品も全体にきりりと引き締まった味わいの洗練された辛口タイプだから、地元の愛好家も飲み飽きしないこの味わいを支援しているのだと思う。


果実のような優しい甘さの『蒼星美酒』

『蒼星美酒』
しかし、この『蒼星美酒』「甘口旨口特別純米酒」と銘打たれた、日本酒度マイナス15の甘口仕上げ。忍者も満足する甘口とは、さて、どんな味かとみてみれば、なるほど、熟した梨や瓜、枇杷や杏みたいな、果実のような甘さがとても印象的だ。しかし後味はナッツのような香ばしさがひろがり、嫌な甘味は残らない。甘口とはいえ、うん、やっぱり、きりりと引き締まった後味がこの蔵らしいと実感した。

この果実のように爽やかで旨味のある甘味は、酸度の高さにもかかわってくる。普通は1パーセント台が多いが、これは2パーセント。甘くても酸味があれば引き締まった味わいに感じられる。さらに旨味もたっぷり。アミノ酸度が4パーセントだ。
ま、数字的なところはおいておくとしても、このくらいの立体感のある味わいだと、しっかり旨味のあるつまみにも負けないで、飲みつづけることができる。先日食べた、ホタルイカの一夜干しに、ヌル燗で合わせてみたらいいだろうなあとニタニタ想像してしまった。

伊賀忍者がどんなにハードな訓練をつんだかは知る由もないが、じっとり暑い都会の夏、汗をかきかき一日中働きまくって疲れた現代人にも、きっとやさしい満足感を与えてくれるお酒に違いない。
1合サイズがあることも見逃せないし、淡麗辛口の日本酒やドライな焼酎ばかりでなく、お酒のバリエーションに彩りを加えたいというときにおすすめしたい。

『大吟醸 黒松翁 奈出詩子』と『完全発酵辛口 黒松翁 特別純米酒』
また、『大吟醸 黒松翁 奈出詩子』は香り豊かなタイプで辛口。なでしこ酵母から造られた今人気の花酵母仕込み。ピンクのラベルが愛らしい。
『完全発酵辛口 黒松翁 特別純米酒』は、ほっくりとした旨味があって、冷でも燗でもいける味。飲み飽きしない純米酒だ。




■合名会社森本仙右衛門商店

  059-225-1511
  三重県津市本町29-24


  「蒼星美酒」   1.8L 税込¥2,420
         720mL 税込¥1,300
         180mL 税込¥500(予定)

 「大吟醸 黒松翁 奈出詩子」  1.8L 税込¥2,800
                   720mL 税込¥1,470

 「完全発酵辛口 黒松翁 特別純米酒」
                   1.8L 税込¥2,250
                 720mL 税込¥1,100

 


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