日本酒/日本酒の選び方・楽しみ方

あなたのお好みは? 日本酒をきき酒してタイプを知る(4ページ目)

自分だけの味わいの基準を決めると、日本酒の楽しみ方がぐっと広がります。好みの風味から、どんなお酒を買えばいいかが分かる『日本酒タイプ一覧表』も掲載!

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド




なぜ「きき酒」でこんなに違いを感じることができるのでしょうか?
理由は、お酒つくりの工程に隠されています。

[1]お米の違い(地域性)

  • 山田錦・・・・・・・・バランスの取れた味わい、コクと上品な旨味
  • 雄町・・・・・・・・・しっかりとしたコクと重厚な旨味(赤尾雄町が代表的)
  • 五百万石/美山錦・・・あっさりとなめらか、やわらかな味わい
  • ササニシキ・・・・・・すっきりとしたキレ、さっぱりとソフトな味わい

[2]水の違い(地域性)

  • 軟水・・・やわらかくまろやかな味わい。「女酒」と呼ばれることもある。
  • 硬水・・・しっかりとしたコクある味わい。「男酒」とよばれることもある。

[3]お米の研き具合

  • 吟醸酒・・・お米を40%以上研いて、吟味して造られたもの。
           フルーティーで華やかな香りが特徴。
  • 大吟醸酒・・お米を50%以上研いて、吟味して造られたもの。
           よりフルーティーで華やかな香り、洗練された味わいが
           特徴。
  • 純米酒/本醸造酒・・・お米を30%以上研いたもの。落ち着いた香り。
  • 特別純米酒/特別本醸造酒・・・お米を40%以上研いたもの。(もしくは、山田錦など酒造好適米の使用が50%以上のものでつくられたもの)。落ち着いた香り。

[4]酵母の違い


  • 協会6号・・・クリアで穏やか(秋田)
  • 協会7号・・・華やかですっきり(長野)
  • 協会9号・・・とても華やか、フルーティー、吟醸向き(熊本)
  • 協会10号・・・甘く軽快(東北)
  • 協会11号・・・リンゴ酸が豊富
  • 協会12号・・・なめらかでソフト(宮城)
  • 協会13号・・・華やかで吟醸向き
  • 広島酵母・・・やさしい味わい(広島)
  • やまがたyko酵母・・・吟醸向き(山形)
  • 長野アルプス酵母・・・切れよし、吟醸向き(長野)

[5]もと(=酒母(乳酸菌))の違い

  • 速醸もと・・・・人工的に培養された酒母。あっさりすっきりとした味わい。
  • 山廃/生もと・・天然の乳酸菌を手間暇かけ育て上げる昔ながらの酒母。しっかりとしたコクと旨味と酸味。

[6]発酵温度(地域性)

  • 低温発酵・・・低温でじっくり発酵することによって、デリシャスリンゴやメロン、バナナのような果物、もしくはキャンディーのような甘い香りが生まれる。吟醸酒に多く取り入れられる。また、北海道東北信州など寒冷な地域では自然に低温発酵になるし、寒の時期の仕込みも低温発酵になる。これを「寒仕込み」という。
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