日本酒/おすすめの日本酒

特別純米なのに吟醸香、京の不思議なお酒 ハクレイ酒造の香り酒『香田』

吟醸造りじゃないのに、華やかな果実の香りを持つお酒がある。低アルコールじゃないのに悪酔いしない。おまけに「癒し」の効果まで期待できる。生まれは京都の丹後。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

ハクレイ酒造のある京都丹後地方は不思議なパワーの宿る場所のようだ。同醸造所が使用する仕込み水は「不動山水」と呼ばれており、地元の人が尊崇する宮籠神社内に湧き出る名水「天の真名井」(あまのまない)と同じ水脈の水だという。


■ハクレイの酒蔵■

この水、昔から不思議な霊力を持っているといわれているのだが、その霊力を解明しようと最近注目の「波動分析」を実施したところ、免疫力にすぐれており、ストレスや肝臓にもきわめて高い波動を持ち、アルコール毒の解毒数値にも高い数値を示したのだとか。つまり、この水で仕込めば、悪酔いしない酔い心地のいいお酒になるというわけ。

この手の話に、私はイチコロ。実際、この水で仕込んだお酒と、その仕込み水を一緒に飲んだことがあるが、たしかに、清らかな飲み心地で、飲んだあともすっきり軽やか気分。なんとありがたいことかと両手を合わせんばかりに杯を飲み干した。

今回同醸造所から発売されたのが吟醸造りでもないのに、華やかな香りを放つという純米酒。契約栽培をしている山田錦の田んぼのなかに、小字名が『香田』(こうでん)という場所がある。由来は「よい香りのする田」「味のよい穀物の取れる田」というところからつけられたらしい。


1999年、山田錦の第一人者の永谷正治氏の指導のもと、この田んぼにはじめて酒米山田錦が実った。香る田から生まれた山田錦だ。この個性を最大限に生かす精米方法や研究を重ねた結果、特別純米酒にもかかわらず、山田錦らしい品のある華やかな吟醸香を持つお酒が出来上がった。

京都丹後山田錦百%のその名も『香田』。
もぎたての青リンゴのような爽快な香りとなめらかなのど越し。まるで、沸きいづる岩清水のように清冽な味わいは、体のすみずみを洗い流してくれるようだ。いややっぱり、不思議にありがたい。

香りのよい米・・・、霊力のある水・・・、天照大神が伊勢神宮外宮に迎えられるまで豊受大神がいらしたから「元伊勢さん」と呼ばれる丹後の天橋立宮籠神社・・。なんと素敵なバック・グラウンド・ストーリーなのだろう。
いいではないか、それにのっかったって。飲み手はそんな話を知りたいのだ。知ってそれに思いをはせながら飲みたいのだ。地酒ってそういうものではなかろうか。
この夏は、霊力パワーあふれる丹後のお酒を、わくわくどきどきしながら楽しむつもりだ。

ハクレイ酒造株式会社 TEL:0772-26-0001
特別純米酒『香田』720ml 1200円

ハクレイ酒造については
こちらへ
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