幼稚園/幼稚園選びの基礎知識

公立幼稚園と私立幼稚園

子どもが家庭から出て初めて入る「社会」が幼稚園。どんな園に入れるか、親としては真剣に考えてしまうところです。家の近所を見回しただけでも、いろんな幼稚園があるよう。いったい、何を基準に選んだらいいのでしょうか。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

幼稚園児

子どもにあった幼稚園はどうやって選べばいい?

子どもが家庭から出て初めて入る「社会」が幼稚園。どんな園に入れるか、親としては真剣に考えてしまうところです。家の近所を見回しただけでも、いろんな幼稚園があるよう。いったい、何を基準に選んだらいいのでしょうか。

現在、幼稚園には公立、私立の2種類があります。公立幼稚園は国、あるいは市町村という公の機関が運営しているもの。1~2年保育のところがほどんどで、入園金などはなく、月謝も安く抑えられています。市町村で運営している公立幼稚園は数が少なく、現在ではむしろ廃止の方向にいっています。入りたいと思っても自分の住んでいる市町村にない、という人も多いかもしれませんね。また、国立の幼稚園は普通の市町村立の幼稚園とは全く別の存在。抽選があり、いわゆる「お受験」が必要です。
 

大部分が私立幼稚園

幼稚園の大部分を占めるのが、私立幼稚園です。運営しているのは、キリスト教や仏教などの宗教法人や、学校法人など。運営しているところの考え方によって、園の行事などに特色が現れます。泥ん子遊びや畑仕事など自然とのふれあいを大切にしている園、楽器の演奏をする園、体操などに力を入れている園……などなど、その園によって独自の教育メニューがある園もあります。口コミである程度調べたら、運動会などの時に見に行ってみるといいでしょう。

私立幼稚園のほとんどでは入園金が必要。制服やバッグ、帽子など、入園のために用意しなければならないものも多く、月謝も毎月2万円から3万円程度かかります。ただ、自治体によっては幼稚園児を抱える家庭に対して支援金が出ることもあり、実際の月謝は公立幼稚園とあまり変わらない場合が多いようです。

都会の有名な私立幼稚園や、国立大附属など国立幼稚園の中には、いわゆる「お受験」が必要な幼稚園もあります。幼稚園に入れば、そのまま小学校、中学校と、ほぼエスカレーター式に上がれるような幼稚園は、人気も絶大。入園しようと思ったら、1、2歳から幼稚園に入るための塾に通わせたり、家庭教師役もしてくれるベビーシッターを頼んで、受験に備える親も多いのが現実。そのためにかかるお金もかなり必要になってきます。「お受験は大変でも、入園してしまえばその後が楽」という考え方もありますが、子どもにとって早い時期からの受験が負担になることも。また、入園すれば経済的な負担がずっと続くことも忘れずに。本当に受験をするかどうか、一度、夫婦で話し合ってみる必要がありそうですね。
 

幼稚園は小学校に入る前に集団生活に慣れる場所

「幼稚園」は、もともと小学校にあがる前の子どもたちの「教育機関」として始まったものです。小学校とは違って義務教育ではないのですから、絶対に行かせなければならない場所ではありません。ただ小学校に入ってから初めて集団生活を始めるよりも、その前にある程度のことを身につけておいた方が子どもにとっても親にとっても楽。「どの園に入れようか……」と真剣に悩んだり、お受験に熱中してしまう親も多いようですが、幼稚園はあくまでも「小学校に入る前に集団生活に慣れておく場所」だと考えて。それくらいゆとりを持ってみていくことも大切ですよ。

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