ランチでも満足度の高い料理がいただける
ランチでこんなにもワクワクするなんて…。これは、月と星が描かれた赤い旗がたなびく店、溜池山王駅から徒歩1分のところにある、トルコ料理レストラン「アセナ」を訪れたときの感想である。
ワタシは以前、長らく食品会社のメニュー開発をしていたこともあり、ランチの付け合わせには、悲しいかな、つい目がいってしまう。サラダだったら、“むむ?これは既存のドレッシングを使っているな?”“この野菜の組み合わせはコストが低いわね…”“野菜にフレッシュ感が…”。スープだったら、“具がほとんどはいっていない…”。
などと、自分でもちょいとイヤになるときがあるくらい、細かいことが気になってしまうのだ(あっ、これは食べ物に関してだけですよ)。そんなワタシの持論は、ランチで付け合わせやスープに手抜きのないお店は、夜もたいてい美味しい。
「メゼ」の盛り合わせ。まずはこのメゼとトルコパンで乾杯! |
どれも(特に辛い野菜のペーストや野菜のトマト煮などは)素材の息吹が感じられるほど新鮮味があり、香りも楽しめるように作られているのが印象的だ。(ただ、ひよこ豆のペースト:フムスは、好みの味とは少し違いますが。)
メゼとともにいただくパン(エキメッキ)のおいしさにも驚いた。粉の甘みがありつつも、ひきがしっかりとある生地は、そのまま食べても、またメゼとあわせてもよし。なによりもワタシが気に入ったのは、パンの表面に“ニゲラ”と呼ばれるスパイスをまぶしてあることである。
異国の香りが秘められたトルコパン
ニゲラは、インドや中近東、チュニジアなどの地域でパンにふりかけたり、野菜や豆の料理に加えたりするスパイス。ほろ苦く、ほんのりと香ばしさがある二ゲラは、控えめだけれど、しっかりと印象に残る味で、ワタシが気になるスパイスのひとつ。だから、二ゲラ入りのパンは、ワタシの大好物。たいていのトルコ料理店は、パンにゴマだけをふりかけていることが多いなか、「アセナ」では白ゴマと黒ゴマに加え、二ゲラも加えているので、パンをかみ締めたときに、異国を想わせる魅惑的な香りが楽しめるのだ。
きつね色に炒めたトルコのショートパスタ入りの「ピラウ」。トルコでは付け合わせの定番だ。 |
ランチといえば、メインの付け合せに「ピラフ(ピラウ)」がついてくるのだが、このピラフにも、しっかりとトルコのショートパスタ(シェヒリエ)が使われていて、このお店は本当に手を抜かずに作っているのね…と感心してしまった。(ピラウの作り方は、コチラをご覧ください。)