|
おいしそうな香りに誘われて足が向いたモロッコの街角のタジン屋さん。使い古されたタジンの風合いはなんと深みがあること! |
タジンは、フタに穴がなく、水を加えずに素材をやわらかく煮込むことができるうえ、円錐形のフタが具材からの水蒸気をうまく循環させてくれるという優れもの。
さらに、フタ上部へ蒸発した素材の水蒸気が水滴にかわり、フタの内部を伝って具材へと戻っていくので、素材の旨みが凝縮され、素材がもつパワーを余すところなく堪能できるという利点もある。
シンプルな作りながら、いやはや、じつによく考えられた鍋である。さすがは砂漠地方で産声をあげた鍋だ!
とまぁこんなことから、モロッコでこのタジンに出合ってからは、すっかりこの料理のトリコになってしまったワタシ。以来、ホームパーティーにはこのタジンが欠かせない。
タジンをテーブルに出せば、ゲストから“わぁ~”との歓声があがり、ちょっとしたサプライズを演出できるし、いつもの煮込み料理もこのタジンで作れば、ちょっぴりおしゃれな一品に大変身。もう手放せません!
|
上はモロッコのレストランで出されたパン。下はパン生地を大きな竈へ運ぶ男性。モロッコでは、タジンのお供としてホブス(パン)が欠かせない。素朴な味わいの円形のパンなのだが、これがまたタジンとよく合うのだ。
大きなパンをちぎって、素材のおいしさが凝縮された汁をたっぷりと浸して口に運ぶと、“くぅ~・・・(ちょっとためながら)、おいしい!”とうなってしまうほど。
モロッコのパンはもちろん合うけれど、なにもこのパンでなければならないということはないので、ご自宅ではフランスパンなどお好みのパンでお試しを。
|
チュニジアの「タジン」は卵焼き。最後にちょっと豆知識。
モロッコと同じ北アフリカのチュニジアにも「タジン」という料理があるのだが、チュニジアでは鍋(料理)のことではなく、まったく違う料理(卵料理)のことを指すのでご注意を。
ちょっとややこしいので、頭の片隅にでも留めておいてくださいね。
|
モロッコのタジン売り場。ひとつひとつ微妙に形が違っておもしろみがある。モロッコ発!タジンのレシピは、コチラ↓をご参考に。
・グリンピースのタジン(モロッコのまよいかたより)
・砂肝のタジンなど(モロッコ料理の台所より)
また、パリ風のタジンレシピは、コチラを。
ちなみに、ワタシはいつもコチラのタジンを購入しています。
タジンの故郷、モロッコの食紀行もぜひご覧ください。