内モンゴル自治区、フフホトの家庭の朝ごはん
羊肉の焼き物(前日の夜にレストランで頼んで余ったものを持ち帰った)、チーズ数種、ペイズ(パン)数種、スーテーツァイ(モンゴルミルクティー)、ボーブ(揚げ菓子)、干し羊肉、煮卵(これは中国スタイル)。 写真右上は干した羊肉。写真右下は、なんとチーズ入りのお茶! |
タン茶と呼ばれる茶葉を煮出し、ミルクを入れて塩味で味つけしたりするのだが、これにバターやチーズ、羊肉などを入れて飲むこともある。日本人の感覚からすると、お茶というよりは、むしろスープに近いという感じがする。(ちなみに、モンゴル国でも同じようにスーテーツァイを飲むのだが、フフホト(内モンゴル自治区)のほうが、茶葉の量が多くて香りが強く、リッチな味わいだった。)
ナショナルティーともいえるスーテーツァイ。毎日いつでもこればかりを飲んでいるのかと聞かれたら、答えはいいえ。(モンゴル国はこればかりだけれどね)。
あれは、連日連夜の宴会で、胃がずっしりと重かった二日酔いの朝。
今朝はさっぱりしたお茶が飲みたいなぁ。でもきっと、あのスーテーツァイ(ミルク入りのお茶)しか飲まないのだろうから、あきらめよう・・・なんて思っていたら、ワタシの様子に気づいたホームスティ先の女性が、なんとミルク&塩なしのお茶をスッと出してくれたのである。おぉ。これは救世主!と思いつつ、まわりを見渡したら・・・
みんなも同じお茶を飲んでいた。
いままで、スーテーツァイを飲んでいる姿しか見たことがなかったから、これしか飲まないのかと思っていたら、そうではないのである。やはり中国の影響だろうか。ここがモンゴル国との違いでもある。
「二日酔いには、やっぱりこのさっぱりとしたお茶がいいのよ。」モンゴルの人たちは女性も酒豪ぞろいだと思っていた私は、モンゴル人女性のこの言葉に何だかほっとしてしまった。と同時に、モンゴル人と日本人、遺伝子のつながりを感じた瞬間でもあった。
とはいえ、生活環境が変われば飲み方も変わるのが常。モンゴルならではの面白い飲み方があった。
モンゴルでは、茶葉を煮出したお茶になんとチーズや干し肉を好みに合わせて入れて飲むのである。(写真右下:ミルクと塩入りのスーテーツァイも同じように入れて飲む。)
干し肉は、内モンゴルでは重要な蛋白源。しかも高級なもの。チーズだって貴重な蛋白源。それぞれ長期保存をするために乾燥させているためとても硬い。それに食感もポソポソ。だから、お茶に浸してやわらかくして飲み、食べやすくしているというわけなのである。モンゴルならではの実に合理的な飲み方である。
さて、次はフフホトの名物パンとチーズのご紹介。