以前のわたしは、正直いって創作料理店やひとつの店でいろいろな国の料理を出しているところは、料理人のスキルのなさをカバーしているだけなのではないかと思ってしまい、いまひとつ理解を示せなかった。がしかし、数年前からその見方が次第に変わってきた。
というのも、「いろいろな国の料理を出している店」とひと言でいっても、それぞれ事情があり、その想いはさまざまなのではないかと思い始めたからだ。

ポテトサラダ
イランのポテトサラダ「オリビエサラダ」。イランではナンに包んでサンドイッチ感覚で食べる。
その想いのひとつには、まずまだあまり知られていない国の料理を広めるため、ということが挙がるのではないかと思う。
インド・ネパール料理と両国の料理を看板に掲げている店を例にとると、インド料理とネパール料理は、カレー系など確かに似ている料理がたくさんあるけれど、ネパールならではの中央アジアに近い料理も同じようにたくさんある。

インド料理とネパール料理は似て非なる料理ということで、ネパールの人たちは、ネパール料理専門店を出したいのはやまやま。しかし、10年以上も前の日本のレストラン事情を考えると、ネパール料理の認知度が低すぎて、ネパール料理専門店を出しても客は入らない。だったら、インド料理と両方出せば、ネパール料理にも目を向けてくれるのではないか。そうおもい、両国の料理を掲げた店が多い。

これはネパール料理の話だけではなく、このような状況下にある国はたくさんある。近年では認知度が高まってきたから減ってきたけれど、東南アジアの国々もかつてはそうだったのではないだろうか。アフリカや中近東の国々などは、いまだに1店で多くの国の料理を出しているところが多いけれど・・・。
外観
外観はまさに居酒屋!知らなかったら、この店がイラン料理を出すとは思わないだろう。
こだわりを優先するよりもまずは知ってもらうことが先決、ということからなのだろう(もちろんこだわりは持っているけれど、比率の問題ということで)。確かに、こだわりすぎてしまったらお客さんが入らなくなって、お店を失ってしまう。そうなったら元も子もないですものね。

あとは、両国の料理のスキルが高く、どちらもやってしまおうというケース。
今回ご紹介する、、イラン料理店「おつかれさん」がまさにそのケースだ。