※2012年加筆 閉店いたしました。
※一時お酒の取り扱いがありませんでしたが、2010年9月15日より店内でいただけるようになりました。10月1日から営業時間も17時~翌5時までに変更。料理人もかわり、メニューが新しくなります。

カウンター席が心地よいチュニジア料理店

先日、カウンター8席だけの鮨屋に、鮨通の素敵な先輩に連れて行っていただいたときのこと。一定のリズムを刻んで握る、ご主人の無駄のない動きにわたしはすっかり魅せられ、しばらくご主人の仕事を見入っていた。すると、ご主人はわたしの姿に気づき、視線だけをこちらに向けてクスリと笑った。

えっ?一瞬、なぜ笑われたのかわからなかったのだが、次の瞬間、わたしは腰を浮かせ、カウンターを思いきり覗き込んでいたことに気がついた。
あぁ、恥ずかしい・・・そう思いながら、ご主人に小さく笑い返したら、ご主人は鮨をにぎる手を止めず、頬の筋肉をぐっとあげて笑い返してくれた。
ほっ。親しみをこめたその笑みひとつで、いままで張り詰めていた緊張が一気にほぐれ、わたしはその後、ご主人とのおしゃべりを楽しみながら、楽しい時間を過ごすことができたのだが、その帰り道、あることにふと気がついた。
そういえば、最近わたしがよく足を運ぶ店には、たいていカウンターがあるなぁ・・・ということに。

2階フロア
靴を脱いであがる2階フロア。小民家を思わせる急な階段が面白い!
カウンターに座って、料理人の動きを見ていると、自然と心が浮き浮きしてくるし、料理人とのおしゃべりも、わたしにとっては何よりも楽しいひと時。

今回は、そんな料理人とのコミュニケーションが楽しめるカウンターがあり、なおかつ良心的な価格で、美味しくて、店の対応もよい、と三拍子揃った、オープンしたてのチュニジアンレストランを紹介したいと思う。

といってもこのお店、カウンターのほかに、4人掛けのテーブルがひとつと、2階に12名くらい入れるほどのスペースはあるので、カウンターに座らなくても、いろいろな楽しみかたができるお店ですよ。屋根裏部屋のような2階フロアは特にね。

希望を胸に海を渡ってきた、若きチュニジア人女性

外観
小さい店が並ぶ路地に突如と現れた異彩を放つ外観。
「イリッサ」の場所は、目黒駅から電車でほんの3分、武蔵小山駅前にある。
駅の東口をでて、右斜め前に見える焼き鳥屋を横目に(焼鳥の香りの誘惑に負けそうになりながらも…)、その脇道を歩くこ1分。スナックなどが立ち並ぶ路地の突き当たり左手に、青と白に彩られた小さな店を見つけたら、「イリッサ」に到着。

青く塗られた引き戸をからりからりと開けると、そこには異国の風情が・・・といいたいところだが、店内は正直、日本の下町の定食屋といった雰囲気である。何でも、以前はラーメン屋だったとか。
しかしながら、カウンターの奥から聞こえてくる、「いらっしゃいませ。」との言葉の先を目で辿ると、一気に高揚感を覚える。というのも、頭髪を素敵な色のスカーフで覆った女性が迎えいれてくれるからである。

クスクス
トマトをたっぷりつかった濃厚な味わいのチュニジアの「クスクス」。唐辛子ペースト「ハリッサ」をつけて。
声の主は、2004年に静岡で開催された花博のとき、チュニジアのブースで料理を作るために来日し、その後日本のチュニジアンレストランで勤めた後、昨年11月にこの店のオーナーシェフとなった女性である。来日するきっかけとなった花博のシェフ権を得るために、彼女はチュニジアで料理コンテストに参加し、100人もの料理人の中から見事ひとりだけ選ばれたのだそうだ。