羊肉とかぼちゃを包んで蒸し上げた「カワ・マンタ(マントゥ)」 |
ウイグルのお母さんから習う、とっておきレシピ第2弾。
今回ご紹介する「カワ・マンタ(羊肉とかぼちゃの蒸し餃子)」は、ウイグルでラグメンとともに人気のある蒸し餃子。中に入れる餡には、なんと羊肉とあの甘みがあるかぼちゃがぎっしり入っており、そこにウイグルでよく使われるスパイスを少し効かせ、エキゾチックな味わいに仕上げるのがウイグルの餃子術である。
手作りの皮はむっちりとしていて、かみ締めるほどに素朴な味わいがじわりじわりと増してくる。1枚の皮に、はちきれんばかりに餡をたっぷり入れるから、ボリュームは満点だ。
魅惑的な味わいと、コロンと愛らしい姿に誘われて、もう1個、またもう1個と手を伸ばしていると、あっという間にお腹がパンパンになってしまうけれど、そんな満腹状態もまた至福のひとときだなぁ・・・と思えるから、カワ・マンタはなんとも不思議な料理である。
羊肉とかぼちゃの組み合わせは、日本人にとってあまり馴染みがないから、ひょっとしたらニガテな人もいるかもしれないけれど、もし少しニガテだと思ったら、かぼちゃの代わりに白菜やニラを入れてもOK。またかぼちゃを抜いて、玉ねぎをたっぷり入れてもおいしくいただけますよ。
ウイグル女性はお酒を・・・
ここで少し、ウイグルの小話を。宗派によるのだろうが、ウイグルは比較的戒律の緩いイスラム教徒といわれている。建前ではイスラムの教えに従っているのだが、実は男性はお酒をよく飲み、たばこを吸い、そして若い女性はミニスカートをはくひとが増えてきているのだという。
これには、漢族が多く流入したことや世代交代、所得格差の広がりなど、さまざまな要因が考えられるのだが、時代とともに民族性が希薄になるのは、日本にもいえることだし、ある意味必然的なのではないかと思う。
それが良いのか悪いのか一概にはいえないし、時代だから、とひと言で片づけられる問題でもなく、ましてや日本に住んでいる私がここで語れることでもないと思うので、この話はここまでにしたいのだが、ひとつだけ。
ウイグルでは女性は基本的にお酒を飲まない。
これは、日本に住む私の友人の若いウイグル人女性もしっかりと守っていることである。(飲んでいる女性もいるかもしれないけれど・・・。)
このサイトでレシピを紹介するときは、いつも料理と相性のよいお酒を次のページで紹介していることもあり、今回も表記しているが、これは、実はウイグルにはお酒に対してこんな背景があってね、ということを頭の片隅に少しでも残して欲しくて、ここで触れさせていただいた。
さて、材料と作り方は次のページへ