新大久保といえば、いわずと知れたコリアンタウンとして有名な街。
わたしが初めて意識して韓国家庭料理を食べたのも、確か職安通りのとあるお店だったように思います。
テーブルに坐って注文を終えると何品かでてきた突き出しに驚き、注文を間違えたのではないかと店員のかたに確認したものでした。

焼肉店とは違う家庭的な雰囲気のなかで、もやしのナムルをふいに口にしたとき、ある記憶が走馬灯のように浮び、わたしのなかの何かがはじけたような気がしました。

モツ系や珍しい食べ物好きの両親のもと、幼い頃から我が家では外食というときまってホルモンやミノ、子袋といった内臓系が多く、キムチなども充実している庶民的な焼肉店でした。
そのなかでとくに好きだったのは、もやしのナムル。幼いわたしは、当時もやしのナムルのことを“ごまもやし”と呼んで毎回食べていたのですが、いまおもえば、にんにくとごま油がふんだんに効いた、本場に近い韓国テイストだったようにおもいます。
職安通りの韓国料理店でもやしのナムルを口にしたとき、幼いころから食べていた味の記憶がよみがえり、“これは、あのごまもやしでは!” と懐かしくあり、嬉しくもおもったのです。
(写真は店名にもなっているこのお店の看板メニュー、韓国版腸詰“スンデ”)


東京にでてきてから、焼肉店でもやしのナムルを食べたことがなかったというわけではないのですが、店内の雰囲気や漂う香り、客層などの違いから、きっとピンとこなかったのでしょう。
それを機に韓国家庭料理に魅了され、職安通りの有名店を食べ歩くようになり、しだいに職安通り近辺だけではなく、奥まった怪しい雰囲気のお店を求めるべく、足繁く通うようになったのです。

初めて行った怪しい雰囲気のお店は「スンデ家」でした。

さて、スンデ家とはどんなお店なのでしょうか?