大阪グルメ/大阪のフレンチ

ユニッソン・デ・クール(大阪・西天満)(4ページ目)

パリの三ツ星「ル・ムーリス」などで修行されてきた阪本シェフが先月オープンさせた新フレンチ「Unisson des Coeurs」。全13皿のコース料理を全て御紹介いたします。

執筆者:麻生 玲央

・Poisson de Jour
雑賀崎天然ヒラメ ブレットと春キャベツのオンブレ。
雑賀崎天然ヒラメ ブレットと春キャベツのオンブレ
白身魚の淡白さなど全く感じさせないほどの官能的なまでに溢れ出る脂と旨味エキス。肉厚で、はち切れんばかりの身質の張りは、一般的なレストランで食べる「ヒラメ」とは一線を画す素材力。そして、その厳選素材を極限にまで活かす天才的なテクニックと、シェフの原点でもある魚にかける情熱があればこそ、これだけの夢心地な魚料理が生み出せるのでしょう。

魚介類に強い「ユニッソン・デ・クール」の魚メインを飾る料理として、かなり期待していましたが、これはホントに心が揺さぶられるレベル。上品な塩使いも含めて、今まで食べてきたヒラメ料理の中でも間違いなく五指に入る一皿でした。


・Le Boeuf
鹿児島牛イチボ スティックアッシェ 花ズッキーニ 黄人参。
鹿児島牛イチボ スティックアッシェ 花ズッキーニ 黄人参
和牛の部位の中でも比較的「脂(サシ)」が少なく、赤身の旨さ濃厚な「イチボ」を使った肉メインは、丁寧に作られていることが伝わってくるほど、シットリとした舌触りで、肉の旨味が噛む毎に愉しめる肉質。最初、肉の焼き加減について聞かれた時に「シェフにお任せします」とお伝えしておいたのですが、これがやはり正解。絶妙にミディアムレアで火入れが施されたイチボ肉は、ジューシーかつ繊維の整った赤身を存分に発揮されていて、静かに拡がる旨味(甘み)が印象的でしたね。

また、ガルニの仔羊を使ったハンバーグも秀逸で、旨味のすこぶる凝縮感がたまらない仕上がりでしたし、色鮮やかな野菜の火入れ加減の絶妙さ等、一皿の上でこれだけ(美味しい意味で)楽しませてくださるシェフのサービス精神と、テクニックに脱帽、そして感服です。肉メイン料理というよりも、まさに食材のワンダーランド。

次ページでは、コース料理の後半を御紹介します
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