神戸グルメ/神戸・兵庫のその他ジャンルの名店

カ・セント(スペイン料理 カセント)(2ページ目)

新スペイン料理(ヌエヴァ・コシーナ)の多種多様性の一端を、日本にいながらにして味わえるレスタウランテ 「カ・セント(Ca sento)」。食べ進める毎に素材の良さを実感できる素晴らしい料理達を御紹介します。

執筆者:麻生 玲央

シェフのおまかせコースより

グリッシーニ。
3~4種類のグリッシーニが常備されています。
アルコール・リストには数種類の日本酒まで揃えられており、この日はワイン以外にも、日本酒との相性も試してみました。頼んだ日本酒は、「龍力」の純米吟醸「美酔香泉(生)」。野菜や魚などの食材は兵庫産のものが多用されていましたので、同じく兵庫の酒でトライしてみた次第です。相性の良さは後述していきますが、意外なほど料理を引き立たせてくれていて、日本酒とスパニッシュ料理との新しい関係を見出せました。

それでは、そういった話も交えながら、シェフのおまかせコースから料理を御紹介していきましょう。

・apertivos
内装。
左から「花オクラのフリット」、「アーモンド+パセリのソース」、「フォアグラ/キャラメルのサンド」。
アミューズとして供されたのは、「ピンチョス2種」と「一口ガスパチョ」の2皿。ガスパチョは「ウイキョウ」によるもので、ピンチョスのほうは、フォアグラをキャラメルとヴィネガーでサンドしたものと、花オクラのフリット。これはアーモンドとパセリのソースでいただきます。

まず、フォアグラ/キャラメルのサンドですが、口に入れた瞬間に甘味と香味が、ほのかに拡がる仕上がり。生キャラメルのように解けゆく舌触りが何とも心地良く、喉を過ぎる僅かな時の中で、様々な変化が愉しめる逸品。

さらに、シンメトリーに配置された「花オクラのフリット」のほうも油っこくなく、不思議なほどに軽やかで薫り高い。さらに皿の真ん中に添えられた香ばしいアーモンド+パセリのソースが食欲を一層加速させていきます。

スープ。
ウイキョウの一口ガスパチョ
もう一皿の「ウイキョウのガスパチョ」は、ウイキョウの滋味だけではなく、「トマト水」や「レモン果汁」で酸味付けされていて、まさに夏にピッタリの爽快感溢れる味わい! たった一口のスープに、これだけ多層的な作り込みが施されているところに、シェフの凄味が垣間見えます。

こういった酸味のある冷たいスープは、夏の暑さで火照った舌と喉元をキュッ☆と冷ましてくれますから、夏の暑い時期には嬉しい一杯ですね。

それにしても、アミューズでここまで完成度の高い料理が出てくることに驚きです。次から出てくる料理に対して、期待と好奇心をフルスロットル状態にしてくれる、素晴らしいスターター(apertivos)でした。

次ページでは、地野菜満載の料理達を御紹介します
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